しつけ・ケア

ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜シニアワンコの手術〜 小桃の入院日記〈手術前準備〉

桜の花も散り、どんどん暖かくなって少しづつ初夏の気配が近づいて来ました。
今年の春は、半袖で過ごす日があったと思ったら大寒波が来たりと寒暖差がとても大きく、気付かないうちにエネルギーを消耗して疲れているワンコと飼い主さんが多いです。
今のうちにしっかりと体力を回復して、暑い熱い夏に備えて下さいね。


今月の半ばにワンコ薬膳アシスタントの小桃が手術をしました。
小桃は先月12歳というハイシニアになっていました。

以前も術前と術後ケアについてお話をさせていただきましたが、今回ハイシニア犬の手術について、私もいろいろ感じる事がありましたので改めて術前・術後の事や、ケアなどのお話をさせて頂きたいと思います。

「今回は私が主役ね」

 

高齢ワンコの手術…心配がたくさん、どうしよう

〜手術までの経緯〜

小桃は、1年半ほど前に膀胱結石が見つかりました。
その時は、病院の先生とお話を重ね
「小桃ちゃんは混合タイプの結石ですので何を食べても石が出来やすい体質です。平均寿命を考えるとあまり手術はおすすめ出来ないので様子を見ましょう。大きくならなければOKなので。」
という事になり、経過観察となりました。

日々のケアと定期的な検査をしていましたが、今年に入って膀胱内の結石が急激に大きくなっている事がわかりました。

かかりつけ医の勧めもあり、麻酔時間が短く、体への負担が少なく、日帰りも可能な破砕治療を行っている病院にセカンドオピニオンをしました。
しかし、小桃の場合は破砕が難しいという事もあり、いろいろ考えてかかりつけの病院で摘出手術を受ける事にしました。

「セカンドオピニオンのおかげで分かった事もあるから、いろんな先生とお話するのはとても大切ね」

 

さあ手術前の準備!飼い主にできる事

手術の日が約3週間後に決まり、早速準備をする事にしました。
小桃は、12歳の小型犬ですので、人間で言えば64〜65歳にあたります。
平均寿命を考えるとハイシニアです。

幸い手術まで時間がありましたので、出来る限り備える事が出来ました。
年齢や病気、その時の健康状態で変わってくるとは思いますが、今回小桃の手術前に準備したことをご紹介させて頂きます。

〈犬の手術前準備 その1〉先ずは体力!でも体重の増減はNG!!

獣医さんから
「小桃ちゃんは、ちょっとお疲れ気味ですから手術までに体力をつけておきたいです。ただ、体重は増やさないで下さいね。」
とお話がありました。

小桃は、高齢な上に短頭種という全身麻酔によるリスクが高いと言われる犬種です。
鼻ぺちゃのワンコは「短頭種気道症候群」と言われる呼吸器の異常がある事が多く麻酔をかける事で気道が狭くなる可能性があります。
体重が増えると、その分気道が狭くなり、麻酔リスクは更に高まるため、手術前の体重管理はとても大切です。
幸い小桃の体重は適正で、他に問題はありませんでしたので増減に注意しながらしっかりと体力をつける食事を心がけました。

【 小桃の体力増加の為に食べた食材 】

白米 豚肉 牛肉 鮫 カツオ 牛肉 イワシ ニンジン トマト 小松菜 キャベツ 卵 豆乳
鯖やタラもおススメです。

「ちなみに朝ご飯はドッグフードだよ」

※体重や食事は必ず手術をする病院の先生の指示に従って下さい。

ツボマッサージで手術の準備!!

今回は、手術前におススメのツボとマッサージをご紹介させて頂きます。

【 要注意事項 】

※ご紹介するツボやマッサージはあくまでも「手術前」におススメのものです。
術後は大変危険ですので抜糸が終わるまで、または獣医さんの許可が出るまでは絶対にマッサージはしないでください。
※犬に「痛気持ちいい」感覚はありません。
 あくまでも優しくマッサージしてください。
※長時間マッサージする必要はありません。
 数秒でも充分な効果があります。全部合わせても長くて10分程度で終わらせる様にしてください

*全身の皮膚を揺らしてリラックス

「気」が滞っていたり、手術が決まって飼い主さんの緊張が伝わるとワンコも「何かいつもと違う」と緊張します。
気の流れを良くしておく事と少しでもリラックスして当日まで過ごしてもらう為に小桃は毎日していました。
(それでも病院嫌いな小桃はお預けする時はガチガチに緊張してしまいましたが)
普段でも緊張しやすい、興奮しやすい、トラウマのあるワンコにはおススメです。

写真のように皮膚に優しく触れて揺らします。
柔らかくなるまで頑張る必要はありません。
一ヶ所5〜10秒ほどでOKです。

「あれ?ここは固いかな?」という場所は+10秒くらい揺らす程度にしてください。

※「気」が滞っていたり、体の緊張が強い場合は触れられると不快に感じる為、嫌がる場合があります。
無理をする必要はありませんが、軽くひとなでから始めて頂くと徐々に気が巡り、マッサージができる可能性があります。

︎*肩甲骨周りのほぐし

今回小桃は呼吸器の心配がありましたので、心、肺に関わる肩甲骨周りをよくほぐしました。
呼吸を楽にするのももちろんですが、シニアになると後ろ足が弱くなって若い頃より更に体の前側に体重がかかり、胸や肩甲骨周りの筋肉が固まりやすくなりますので手術前でなくてもシニアワンコにはとてもおススメのマッサージです。

肩甲骨は写真の赤いラインの辺りにあります。
優しく包むようにほぐします。

*足三里(あしさんり)

後ろ足の外側で、膝のすぐ下の星印のあたりにあります。

胃腸のツボとして有名ですがエネルギーを強化して体のパワーを底上げしてくれる作用もあります。

優しく押すか、ぐるぐると手のひらで撫で摩って下さい。

 

境谷真佐子

境谷真佐子

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(さかいだにまさこ)
タイ式ヨガインストラクター

「あるなら探せ。無ければ作れ」をモットーに、愛犬の快適な生活とお出かけを探求しています。 楽しいお出かけ情報や、グッズのリメイク術をご提案していきます。

愛犬小珠のブログ『小珠メモ』:https://ameblo.jp/umeran0412/
心臓病、パグ脳炎の小珠(こだま)との日々

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