健康・病気

犬が「下痢」や「嘔吐」のとき確認してほしいこと

今、犬のウイルス性胃腸炎が流行っているそうです。
先日、今まで一度も吐いたことのない愛犬が嘔吐し、その翌日の便に血が混ざっており、急いで動物病院へいきました。
元気で食欲があっても、突然の嘔吐や下痢は心配ですよね。
犬の嘔吐や下痢はよくあることと言いますが、病気が潜んでいる不調の兆候である可能性でもあるかもしれない下痢や嘔吐。
愛犬が突然吐いた時、下痢になった時、緊急性があるものか?どんなことが原因になっている可能性があるか?飼い主さんが嘔吐物や便の状態を観察する目を持てると診断にも役立ちます。

今回は、愛犬が「下痢」や「嘔吐」したとき確認しておいてほしいことについてのお話です。

下痢のとき確認すること

<下痢になる要因>

一言に下痢と言っても一時的なものから慢性的なものまでその要因となるものは様々です。

・環境の変化などによるストレス
・消化器系の異常
・食物アレルギー
・感染症
・寄生虫

などの要因があります。

<下痢の特徴と代表的な原因>

*下痢の軟度
・水様性(水っぽい)・・・急速に腸を通過
・ゼリー状(粘膜質)・・・大腸の異常(大腸炎など)
・油性(脂っぽい)・・・・吸収不良(脂肪が消化吸収されない)
・泡を含んでいる・・・・腸内にガスが発生している

*色味
・タール状・黒色・・・・食道・胃・小腸からの出血
・血の塊・赤い血液・・・結腸・直腸・肛門からの出血
・黄色がかった緑・・・・急速に腸を通過

*頻度と量
・少量の便を頻繁に排泄・・・結腸への刺激
・大量の便を1日3~4回排泄・・・小腸の消化吸収不良

【小腸と大腸の分類】
*小腸…十二指腸・空腸・回腸の3つ
*大腸…盲腸・結腸・直腸の3つ

いつもの便と比べて異常がある場合は早めに受診しましょう。

嘔吐したときに確認すること

<嘔吐になる要因>

嘔吐は、脳の延髄にある嘔吐中枢が刺激されることによって、胃の内容物が押し上げられ排出されます。
下痢と同じく様々な要因が考えられます。

・食道や胃腸の閉塞や圧迫
・細菌・ウィルス・寄生虫などによる感染症
・異物誤飲
・腫瘍 など

<嘔吐の特徴と代表的な原因>

*吐物の色
〈 血が混じっている 〉
消化器系の病気(食道炎・胃炎・胃潰瘍など)・毒物誤飲・感染症が考えられます。
〈 黄色っぽい 〉
肝臓でつくられる胆汁が逆流して、胃酸過多になっている可能性もあります。

*吐物のにおい
〈 臭い場合 〉
腸閉塞が起こっている可能性もあります。

*吐物の内容物
食べものや水が、消化されておらずそのままの状態、または消化されている?
消化物がなく白い胃液だけの場合は、空腹が原因とも考えられます。
植物やゴミなど、異物があるかある場合は、異物誤飲が原因と思われます。

*食後に吐く? 食事と関係なく吐く?
・食後に吐くときは、胃や食道の異常
・食事と関係なく吐くときは、腸の異常
が考えられます。

重篤な病気や毒物誤飲など命に係わる状況から、環境や気候の変化によるちょっとした体調不良まで、いろいろな状況があります。
いずれの場合も、飼い主の注意深い観察がとても大切になってきます。
少しでも心配がある場合は、病院で診察を受けるようにしてあげましょう。

 

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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