前回は、ドッグシェルタースタッフの里見潤さんが犬と出会い、ドッグシェルターに出会うまでのお話をご紹介しました。
今回は、ドッグシェルターの実際の活動について、そして、里見さんの業務について、お伝えしていきます。
ドッグシェルターの活動
ドッグシェルターでは、シリコンバンド(300円、12色)、コインケース(500円、5色)、Tシャツ(1500円)などの商品を扱っています。年間で100万円以上の売上があります。“SMALL LIFE, SAME PRICE“などのようなキャッチフレーズが記されており、ファッショナブルなデザインを施して、若者に訴えられるように工夫しています。(収支についてはHPで公表)
商品売り上げによる収入は100万円超、その他寄付等の収入を含めると年間で500万円ほどの収入になります。この金額が全て、保護活動の資金になります。
スタッフは、代表(遠藤さん)と私(里見さん)です。代表は別の仕事をしており、すべて無償で活動を行っています。私は、代表の自費から給与を受け取っています。パンフの作成などは、ボランティアが手伝ってくださいます。写真は、犬の里親にカメラマンがいらっしゃいまして、その方にお願いしています。
保護犬は、地域の動物愛護相談センターから引き取っています。8つのボランティア家庭(一時預かりさん宅)に1頭ずつ保護していただき、同時に8頭まで保護することができます。店舗があったときは、常時3~5頭の犬がペットショップのように見ることができ、団体のことを全く知らずに入店されるお客さんもいらっしゃいました。現在は店舗は廃止し、「預かりさん宅」型に運営の形を変更しています。
引渡費用として、オス2万5330円、メス3万5830円を引き取り家庭から徴収している。経費内訳としては、去勢・不妊手術代、ワクチン代、フィラリア抗体検査、血液検査、検便検査、生体管理費、歯石除去費用、狂犬病予防注射、マイクロチップ費用などです。
メス犬は5~6頭の犬を産むため、避妊手術が必要になります。ワクチンは健康維持のためです。血液検査は、保護犬には血統書がないので、どんな犬かを知るために行っています。また、健康診断にもなります。
里見さんの業務
ドッグシェルターの仕事では、動物愛護相談センターに犬を見に行き、適正テストを行います。性格、好きなもの、苦手なものや、興奮しやすいタイプかどうか。噛みつくか、吠えるとか。一般の新しい家庭でも、飼えるタイプの子かどうか。このようなことを調べます。
動物病院やサロンをまわり、医療行為やトリミングを行ってもらいます。
引き取ってから10日から14日くらい家の中で暮らしてみて、犬のようすをみます。小さなハウスに入れているのは、留守番中に吠えないようにするためなんです。留守番ができるようにするために行っています。
ボランティアの預かりさん宅に、預かり依頼をします。おうかがいして、トレーニングアドバイスを行ったりします。個人では、休みの日(水・日)はしつけ教室で教えたりもしています。
保護してから里親が見つかるまで、おおよそ小型犬で2ヶ月以内、中型犬で3ヶ月以上、大型犬で5~6ヶ月くらいかかります。純血種の小型の犬は、最短では2週間くらいで決まることがありますが、長ければ1~2ヶ月かかることもあります。
ドッグシェルターの店舗がなくなった当初、1日当りのHP閲覧数はガタっと減りました。店舗のあるなしで信頼性がちがうのでしょうね。半分くらいにまで落ちました。
同時に保護できる頭数が8頭というのは、少ないと思われるかもしれませんが、できる範囲でやっています。場所を構えたりするとこのようにはいきません。数は少ないですが、丁寧に1頭ずつ面倒をみるようにしています。