保護した子犬
ペットショップの仔犬
『幼犬期の環境』
ある日、茨城にいる従兄弟から
「広場に雑種の仔犬(オス)が2頭いるんだけどどうしたらいい?」
と連絡があった。
箱に入れられポンと置いてあるのだから、捨てられたようです。
犬に関わる仕事をして保護活動に関わっていれば、このようなことを相談されることが時折ある。
私は、相談を受けた従兄妹にアドバイスをし、飼い主を見つけられるまで彼自身が行ったほうがいいと考えたが、、、3日後、私の家で預かることになってしまい、仮の名前をしらす(白)とぽんず(茶)と決めました。
2頭は、推定生後2ヶ月半。
兄弟の仔犬2頭を預かることは、私も初めてだった。
彼らは、食べて・出して(排泄して)・暴れて(遊んで)・寝てを繰り返すのが仕事のようなもの。2頭で部屋の中を所狭しと、走り・飛び・暴れ回る姿は怪獣のよう。お互いに噛み・噛まれながら、転ばせ・転がりながら、噛み方と遊び方の力加減を覚え、本気で噛みつかないことを学んでいく。
2頭の様子を見ていると、本来はこれが当たり前の姿で、幼犬期に兄弟が本気になって遊ぶことでしか身につけられないことがあるのだと、改めて教えられました。
仔犬たちに必要な道具をペットショップに買いに行くと、店内の陳列ケースに仔犬が1頭づつ入っていた。
表情に生気がなくあまり動かない仔も多い。
一見大人しくいい仔に見えるのかもしれないが、ケースの中は狭く、遊ぶスペースも無いからそうしているだけ。
生後50日前後で陳列ケースに入る仔犬たちとしらすとぽんずを比べると、改めてペットショップでの生体販売は、仔犬の成長に無理を強いていると感じてしまう。
土日などは、小さい子供連れの家族が多く、その家族たちが店員と仔犬を迎える話をしている様子を見かけます。
仔犬が成長段階で「噛む加減」を覚えていないことで起こる問題、そのツケが最後は必ず犬に向かいます。
飼い続けることが難しくなり、放棄されるケースもある。
ペットショップの生体販売が悪い、保護譲渡が良いとは思いませんが、販売をする側にとっても、飼った後に家族も犬も良かったと思えるような販売を考え、実行出来ることはあるはずだし、トレーナーとして関わる私にも出来ることがあるはず。
しらすとぽんずがそう教えてくれている気がします。
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