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ペットを葬るために

ペットを葬るために

 

    


 今やペットは家族の一員として認識されており、亡くなった際にもできるだけ手厚く葬ってあげたいという飼い主さんがほとんどではないでしょうか。火葬炉メーカーによる近年の調査では、ペット霊園を利用する飼い主さんが国内全体の3割ほどおり、都市部のほうが地方より利用率が高いようです。現在、ペット霊園ではどのようなサービスを行われているのでしょうか。また、ペット霊園を利用する以外ではどのような方法が取られているのでしょうか。

都市圏ほどペット霊園利用率が高い

 ペット霊園を利用する人は、霊園の数も多い都市部、特に首都圏では多くなっています。現在、全国で動物供養を行う寺院や動物の葬儀社は1800軒以上あるとされています。

 東京都国分寺市のオリーブ動物病院の有薗浩見院長によると、同院では開業時の20年前から患者さんの8-9割の方が、ペットの火葬や埋葬にペット霊園を利用されているとのことです。「比較的大きなペット霊園が近くにあるため、うちの病院では以前からほとんどの方が、最寄りの霊園を利用されています。開業以前、30年近く前の勤務医時代から利用者はすでに多かったです。」

 反対に、地方へ行くほど、所有地があったり庭付きの戸建て住宅の割合が高かったり、また、ペット霊園自体が少ないという理由で利用者の割合は少なくなっていくようです。

 そして、ペットの埋葬について、近年さらに飼い主さんの意識の変化があるようです。「昔は、人間のお墓にペットを入れるなんて言語道断という人がほとんどでしたが、ここ数年くらいからか、人間のお墓にペットを入れることにも抵抗がなくなってきています。ペットは家族と同等という意識がさらに根付いてきたのですね。」と有薗先生は語っています。こうした需要の増加に伴って、今では飼い主と同じお墓に入ることができる霊園も登場しています。

どんなサービスがあるのか

 ペットは家族と同等という意識の高まりに応えて、近年は葬儀や埋葬に関しても人間と同じようなサービスが求められています。ですからペット霊園では、葬儀を行い火葬をし、お骨を骨壺に入れて埋葬し、位牌を仏壇に納め、49日などの法事を行うといったサービスが提供されるようになっています。ペット霊園の多くは、寺院が経営しており、たいていは仏式による葬儀が行われています。

 料金的には、東京都でも中型犬の個別火葬、埋葬でおおよそ3万前後ぐらいが相場となっており、慰霊塔に位牌を一緒に入れる合同葬ならば、おおよそ2万円弱です。火葬の際には、ペットの愛用品(可燃物のみ)や、お花、好物などを一緒に入れてくれるところもあります。その他のサービスとしては、ペットの遺体や飼い主さんの送迎、また、火葬のみ、埋葬、納骨のみといった必要な部分のみの依頼ができるところも多いです。

ペット霊園の規制と問題点

 ペットの葬儀社や霊園に関しては、開設に際して行政による立ち入り検査などがなく、安易に始められたことから、中には悪質な業者がおり、料金トラブルなども少なからず発生しています。そうした問題を受け、通常は市町村単位で定めている条例をさらに厳しく見直し、規制する方向に進んでいます。ペットの葬儀社や霊園の開設には、市町村長による許可、公共施設や居住地から規定の距離を置くこと、また、周辺地権者すべての同意などが必要です。火葬炉がある施設では、臭いや公害を出さないための安全面での決まりも設けられています。

 動物愛護法は5年ごとに見直しがあり、ペット業界全体の規制が厳しくなっていることから、ペットの葬儀社、霊園に関しても、さらに条例整備が進んでいくと見られています。大切なペットの最後のセレモニーとして、料金・サービス共に良質な業者を見極め、選択していくことが大事です。

行政による火葬や埋葬

 ペット霊園での火葬や埋葬以外の方法としては、行政に依頼するか、あるいは自宅の庭に埋めるなどの方法があります。行政に依頼する場合は価格も数千円からと、ペット霊園の利用に比べ安くすみます。まずは清掃局へ連絡し、遺体を引き取ってもらいますが、各自治体によりその後の方法はやや異なってきます。

 オリーブ動物病院のある国分寺市では、市の清掃局に依頼すると市内のペット霊園で合同火葬、合同葬されることになります。「都市部に限るのかもしれませんが、行政区域内にペット霊園があるところでは、行政経由でも廃棄物処理的な扱いではなく、随分丁寧に扱われることになり、飼い主さんには大変ありがたいことですね。」と有薗先生。ちなみに、一般道など公共の土地で動物が亡くなっていた場合も、行政の清掃局に連絡すれば無料処分してもらえます。

長くお世話をし、家族として暮らしてきた大切なペットの最後、飼い主さんの気持ちの整理、区切りのためにも、最も良い見送り方で閉じたいものですね。

取材協力:オリーブ動物病院(東京都国分寺市)http://www.olive-ah.com/index.htm

※ペット霊園の設置等に関する条例等 参考資料
2010 年 4 月に発覚した埼玉県飯能市における動物死体の不法投棄事件を受け、各自治体で制定・議論がなされています。

■秋田県横手市:http://www.city.yokote.lg.jp/reiki_yokote/reiki_honbun/r206RG00001104.html

■環境省:中央環境審議会動物愛護部会 動物愛護管理のあり方検討小委員会(第8回)議事要旨 平成22年11月29日
動物取扱業の適正化についての一部として、「動物の死体火葬・埋葬業者」についてが検討されていました。
http://www.env.go.jp/council/14animal/y143-08.html

■認定特定非営利活動法人 まちぽっと:ペット霊園の設置等に関する条例等の動向について
http://machi-pot.org/modules/topics/index.php?page=article&storyid=44
2014-06-09時点での自治体の条例制定動向がまとめられています。

※その他諸外国での法令等 参考資料

■国会図書館:諸外国における動物取扱業をめぐる法制(pdf)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_3487053_po_073403.pdf?contentNo=1

■国会図書館:欧州におけるペット動物保護の取組みと保護法制(pdf)
http://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/refer/pdf/072005.pdf

■国会図書館:諸外国における犬猫殺処分をめぐる状況(pdf)
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_8748098_po_0830.pdf?contentNo=1


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