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日本は動物愛護後進国! ~海外に学ぶ動物愛護 第4回~

日本は動物愛護後進国!
-海外に学ぶ動物愛護 第4回-

    


 「日本は動物愛護後進国!」と題して、他国の動物愛護事情はどのようになっているのかを紹介してきました。前回の最後に、第4回で紹介する国のことを「陽気でファッショナブルなイメージ」と申し上げましたが、みなさん答えは分かりましたか?

 では今回は、様々な名だたるファッションブランドの出身地でもある、「イタリア」の動物愛護についてご紹介します。実は、イタリアも動物愛護先進国のひとつなのです。

動物保護法ができたのはつい最近!

 イタリアで動物保護法案が成立したのは、2004年7月のこと。ですので、日本より制定された日そのものは遅れていますが中身が進んでいます。イタリアの動物愛護は、この日を契機に急速に発展し始めました。

 この法律では、動物の虐待はもちろん、見世物行為や、違法な闘いに動物を用いることも禁止されています。違反した場合には、罰金刑だけでなく、事件の大きさによっては拘留刑を科されることもあり、その重さは、動物が実際に味わった苦痛の大きさに釣り合うように判定されます。具体的には、懲役刑は約2ヶ月~4年間、罰金は2,500~10,000ユーロ(約33万~132万円)が科されるそうです。

1日2回の散歩は罰金8万円!?

 動物愛護に積極的なイタリアですが、中でもトリノではとても厳しい条例が制定されています。たとえば、「犬を1日3回散歩させないと罰金500ユーロ(約6万6千円)」。日本では、朝と晩の2回で精一杯……といった世帯が多いと思いますが、イタリアの飼い主のみなさんはどのようにこなしているのか気になります。

 トリノの条例では、この他にも以下のようなことが禁止事項として細かく定められています。

  • ペットの毛を染めること
  • 飼い主が自転車に乗りながらの散歩
  • 散歩で動物を疲れさせすぎること
  • お祭りなどで、金魚をビニール袋に入れて渡すこと
  • 犬の尻尾などを切断すること

 尻尾の切断などは誰にでも納得できるような事項ですが、「疲れさせすぎること」という点においてまで、ペットに対して細やかな配慮が必要とされることには少し驚きますね。

 少々厳しい気もするこの条例が制定された背景には、イタリアで毎年、15万匹の犬と20万匹の猫が捨てられているということがあります。厳しすぎるくらいの条例を制定することで、飼い主の責任を自覚させるねらいもあるのですね。ちなみに、日本の捨て犬の数は、平成23年では約8万匹、捨て猫は約14万匹と決して少なくはないので、他人事ではありません。

夏に捨て犬・猫が急増するイタリア。そのワケは……

 このように非常に厳しい条例が制定されている都市がある一方で、イタリアでは、1年間に捨てられる動物のうちの4分の1が、夏のバカンスシーズンに捨てられているという問題も残っています。これは、旅行に出かける際に犬や猫の存在を厄介に思い、道中に置き去りにする飼い主がいるため。捨てられた動物の飛び出しによる交通事故の増加も招いており、社会問題のひとつとされています。

 これを受けイタリアでは、

  • 動物愛護団体による道路上やサービスエリアでのパトロール
  • 身分証明書と引換で利用できる預かり所をサービスエリアに設置
  • 政府によるTVスポットの放送やポスターの設置

 など、国全体を挙げて問題の解消に取り組んできました。しかしそれでも夏の捨て犬や猫がなかなか減少しないことから、イタリア政府はついに大きな決断に出ました。

犬のマイクロチップ装着を全国で義務化

 2008年8月、イタリアの厚生省により「すべての犬をマイクロチップで個体識別し、15ケタの番号で州に畜犬登録すること」が発表されたのです。猶予期間は約1か月間だったことから、夏の捨て犬・猫問題の深刻さがうかがい知れます。登録内容には、犬種や性別、色などを含んでおり、これを怠ると、100ユーロ(約1万3000円)の罰金となります。

 この個体識別と登録によって、安易に犬を捨てることができなくなり、飼い主の責任が明確になるほか、国全体の犬の頭数を把握することで、伝染病予防などに役立てることができるようにもなりました。

課題を残しながらも着実に改善

 イギリスやドイツ同様にイタリアでも、ペットショップでの店頭販売は原則的に行われておらず、日本のように、ペットショップで動物が小さいケースに入れられているという光景は見受けられないそうです。もちろん、これまで紹介してきた国々と同様、多くの店や公共交通機関にペットが入ることも可能です。

 しかしながら、地域によっては法律の制定や施行の遅れも見られます。それでも、国を挙げて個体識別登録や罰則付きの義務化を順次導入していき、動物福祉国として着実に前進しようとしている姿勢は、日本も見習うべきでしょう。

※記事内のユーロの日本円換算金額は、すべて2013年5月現在のものです。


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