犬と共に踏み出す一歩
「KIDOGS」
第6回 「できることを」
~最終回~
KIDOGS 犬の講師 里見潤
~最終回~
KIDOGS 犬の講師 里見潤
保護犬に、新しい家族を見つける。
自立に悩む若者に、一歩を踏み出してもらう。
それが、キドックスでの活動の目指すものです。
しかし、当たり前のことですが、目指すものに何もなく順調に進んでいけるだけではありません。うまくいく時とうまくいかない時を繰り返しながら、少しづつ少しづつ変わり、成長していくものだと感じています。
それは、保護犬も若者も一緒。
怖がりで、人が苦手で、逃げようとばかりしていた保護犬が、トレーニングを通して人と一緒に何かをすることを楽しむようになり、スタッフや参加者に会うと尻尾を振って喜んでくれるようになった。
落ち着きが無く、力も強い中型犬の保護犬が、担当する若者のペースに合わせて散歩ができるようになり、室内で落ち着いて休む時間を持てるようになってきた。
はたまた、他者や外部との接点を持っていなかった若者が、キドックスのプログラムに週1回参加することから始め、少しづつ身体と心を慣らしながら2回・3回と参加を増やして通うようになった。
話し掛けられたら、返事はするが自分から相手に話し掛けることはなかった若者が、自分からも話し掛けることが増えてきた。
担当する保護犬のトイレに気付かず、スタッフに言われてから後片付けていた若者が、言われる前に気付き率先して保護犬の世話をやるようになったり、、、
冗談や笑い話に笑顔で返してくれるようになったり、周りに気を配り自分から動いて周りの人の手伝いをしてくれるようになったりしてくれました。
ある若者は、プログラムに参加する日数が増え、発言する機会や笑顔も増え、担当した保護犬を1頭里親に送り出してくれた。その若者が、ある日体調を崩したことがありました。習慣を変えていくために、頑張り過ぎていたのかもしれません。
1日プログラムに参加するのが難しい中、
「担当する犬に会いたい」
と数十分のために来て犬と過ごしている様子を見た時は、改めて犬は凄いと思い、可能性を感じました。
どうしたら保護犬そして若者にとって良い経験の蓄積となり、次のステップにつながるのか・・今はまだ答えを見つけられていないですが、
自分自身が、1頭1頭、1人1人に向き合えているのかどうかを意識しながら、今の自分にできることを、持続的に根気よくやっていく。
それが保護犬と若者、そして自分たちの次に繋がるのではないかと思いながら、私はキドックスの活動を続けていきたいと考えています。
NPO法人キドックス(KIDOGS)
http://kidogs.org/
キドックス 犬の講師 山田有紀子 Dog Training Wind Blume
http://wind-blume.com/index.html
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