犬や猫にとって、水を飲むことはとても大切です。
新鮮な水をいつでも飲めるように準備しておく必要があります。
しかし、犬や猫がいつもより多く過剰に水を飲んでいる時があれば、要注意です。元気であっても、病気が潜んでいる場合があります。
今回は、多飲多尿=頻尿から推測される病気についてのお話です。
これらの病気のなかには、早期発見で発症を遅らせることができる病気もあります。
水を飲む量が増えると尿の量も増えるので、尿量の変化で異常に気付く飼い主さんもいると思います。
尿量が増えたことで異常に気付くポイント
・尿の色が薄くなる
・トイレシートや猫砂の交換頻度が増える
・排尿まで我慢できなくなる
など。
水を飲む量が増えることから推測される病気は、たくさんあります。
今回は、その中でも比較的多く診られる病気についてお話します。
腎不全
肝臓は、全身をめぐり老廃物を集めている血液の濾過をしている場所。血液の中の老廃物を体外に排出しています。そのために作られるのが「尿」です。
水分は、体内に残したいので、できるだけ少ない尿で老廃物を排出できるように、尿は濃縮されます。
しかし、様々な理由で肝臓の機能が失われると尿を濃縮できなくなり、大量の薄い尿を排出することになります。尿が増え分、水分を補給しなくてはならなくなるので、必然的に水を飲む量が増えます。
この状態を「腎不全」といいます。
腎臓の機能が失われた部分は、その後の回復はできないので、残っている肝臓がこれ以上悪化しないように予防することが重要になります。
早めの診断と予防治療が大切になります。
糖尿病
血液中の糖分を身体に取り込むために必要なインスリンの量が不足することで、血糖値が上がり、場合によっては尿が漏れるようになる病気です。尿に糖が混じると必然的に尿の量も多くなります。
糖尿病は、
・多飲多尿
・食欲があるのに痩せる
・瞳が白くなる
などの症状があります。
定期健診で早期発見することが大切です。
命にかかわる病気なので、疑いがあれば何がともあれ早期受診をしてください。
子宮蓄膿症
避妊手術をしていないメスの犬によく見られる病気です。
子宮の中に大量の膿がたまるため、
・食欲や活動性の低下
・外陰部からの排膿
・嘔吐
・腹痛
・多飲多尿
などの症状がああります。
悪化すると腎不全や血液凝固障害などを併発し、死にいたる病気です。
早期発見・早期治療が重要であるとともに、避妊手術で予防率を高めることができます。
普段から愛犬・愛猫が飲む水の量や尿の量をよく見て知っておくことが重要です。
大きな変化を感じたときは、早めに動物病院の診断を受けましょう。