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ペットの医療・健康 第16回 犬の輸血について知ろう

ペットの医療・健康
     

第16回 犬の輸血について知ろう

    


あなたの愛犬が、輸血を必要とする大きな手術をすることになったら・・・
お友達の愛犬に輸血が必要になり、献血のお願いをされたら・・・
 
できれば起こってほしくない、考えたくないことですが、もしそんなことが起きたとき、犬の血液型や輸血・献血についての知識をお持ちでしょうか?
今回は、この輸血について、犬と暮らす皆さんに知っておいてほしいお話です。
 
日本には、アメリカのような犬専用の血液バンクなどが存在しません。
動物病院で供血のための犬が飼われていたり、飼い主さんが自ら、犬を飼っている友人・知人に献血を頼むなど、獣医師会や動物病院、様々なネットワークなどで独自の血液バンクがあるのみの状況のようです。
 
今日の獣医療において輸血は無くてはならない非常に重要な治療手段として、動物病院において一般的に行われています。怪我や病気の進行による貧血、出血がなかなか止まらない場合の止血目的など、適応となるケースは様々です。実際に輸血の治療を受けたという話を耳にする事も、しばしばあるのではないでしょうか。

輸血をするには

輸血に関して行うことは、3つあります。
まず「輸血用の血液の確保」「血液型・輸血の適合判定」が必要となります。
また、「輸血中や輸血後の副作用の評価と治療」が、必要になることもあります。

○輸血用血液の確保
健康で比較的体の大きな血液提供犬(以下ドナー)から、血液を採取します。血液は、専用のバッグを使用しても1-2週間しか保管ができませんし、新鮮な血液の方が失われる成分が少ないので、基本的に輸血の直前に採血します。
 
○血液型・輸血の適合判定
犬の血液型には11種類あり、輸血を実施するためには血液型の判定と、ドナーと輸血治療を受ける犬(以下レシピエント)の血液による交差試験を実施する必要があります。
簡単にいうと、ドナーの赤血球がレシピエントの体内で生存できるかを判定をします。
 
血液型の判定は、赤血球抗原の検査キットを用いて行ないます。
犬の赤血球表面には赤血球抗原(以下DEA)1.1、1.2、7があり、抗原の陰性、陽性を判定します。DEA陰性のドナーの血液は、レシピエントが陰性、陽性に関わらず用いることが出来ます。DEA陽性のドナーの血液をDEA陰性のレシピエントに輸血することは、極力避けなければなりません。
 
このDEA判定で問題がなくとも、交差試験で異常が認められたら輸血することは出来ません。交差試験はキットがありませんので、慣れた手技者が適確に試験・判定を行なう必要があります。
 
○輸血中や輸血後の副作用の評価と治療
輸血を必要としている犬に治療を実施すると、非常に良好な症状の改善がみられる事が多いですが、適合しない血液を輸血してしまうと、重大な悪影響を与えてしまいます。
また、交差試験で適合しても発熱やアレルギー反応などの副作用が現れることもあります。そのため、輸血前の検査、輸血後の副作用の有無・程度の評価が、とても大切になります。
 
輸血治療の最大のネックは、やはり輸血用の血液の確保です。
人間の様に血液バンクなどはありませんが、ドナーとして、協力をしてくださるペットオーナー様も増えてきています。
動物病院によっては、急な手術などにも迅速に対応できるよう、ドナー犬の登録を呼び掛けているところもあります。ドナーとなる犬の健康状態・年齢・体格などの条件を満たしていれば、ドナーとして病気やけがで輸血が必要な犬に血液を分けてあげる事ができます。
そして、このような動物病院では、ドナー登録時に通常の半額で血液検査ができたり、無料の健康チェック、各種ワクチンが一定期間無料になったり、万が一のとき優先的に輸血が受けられるなど、登録をすることによって得られる様々なメリットを設けて登録を呼びかけを行っているところもあります。
献血が可能な犬の条件は、動物病院などによってそれぞれ基準があります。
ドナー登録を検討している犬の飼い主さんは、是非かかりつけの先生にご相談されてみて下さい。

多くの飼い主さんが、輸血に関する正しい知識を得て、そして理解していただき、より多くの犬がドナーとして登録して頂けることを願っています。

2014年12月19日掲載

 

 

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GORON 吉川奈美紀

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