老齢のわんちゃんに多い『白内障』のお話です。
白内障とは?
透明な水晶体が何らかの原因で濁ってしまうことです。
生まれつきのものや外傷が原因でできることもありますが、一番多いのは高齢になってからの「老齢性白内障」です。
主な原因
老齢になり水晶体が濁ってくる老齢性白内障は、老化現象のひとつといわれています。
老齢になると若い頃よりも代謝が衰え、眼に運ばれる栄養素も少なくなります。
また、これまで紫外線の影響を受け続けてきたことによって、水晶体のタンパク質が変質して白濁することもあります。
白内障の進行の仕方
1. 初発白内障
ごく初期の状態で視力に影響を与えることは、ほとんどありません。
日常生活に全く不自由はないので、症状に気づく飼い主は多くありません。
検査でみつけることがほとんどです。
2. 未熟白内障
やや進んだ状態で混濁が広がっています。
視力障害が次第に進んでいきます。
3. 成熟白内障
水晶体全体に混濁が進んだ状態です。
瞳孔が白く濁って見えます。
4. 過熟白内障
ブドウ膜炎や強膜の充血、虹彩の癒着など、さまざまな症状が起こってきます。
混濁した水晶体が炎症を起こし、緑内障を併発したり、水晶体を支えている線維が弱くなり、水晶体が脱臼してしまうことがあります。
白内障の治療法
早期で視力に影響がない時期は、「抗白内障薬」での治療を開始すれば進行を遅らせることが可能です。
ただ、進行を止めることは不可能で、進行を遅らせる効果しか期待できません。
白濁が進行した白内障では、手術が可能な場合もあります。
しかし、専門病院でしか手術を受けられないことと、治療費が高額になります。
早期に発見をして進行を遅らせる治療をすることがおすすめです。