しつけ・ケア

馬の背中

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、馬の背中についてです。

人が乗る部分でる背中に問題を抱えてしまっている馬は少なくありません。
残念ながら、馬は不快感や痛みにも関わらず、私たちの為に働いてくれています。
もちろん全ての馬がそうであるわけではありません。
痛みに弱い馬はそれに耐えることが出来ません。
そういう馬は悲しい旅路を辿ってしまうこともあるのです。

私たちはそういう馬の痛みの兆候にいち早く気づき、ケアをしてあげなければいけません。
こうした馬の変化に気づくためのポイントを知っておきましょう。

背中に問題を抱えた馬が示す兆候

・動きがフラットになり、座りやすいように感じる
・動きがギクシャクしている
・常歩の4拍子に乱れがある
・横方向への動きができな
・鞍を乗せる時に噛もうとしたり蹴ろうとしたりして嫌がる
・背中を触ろうとすると背中を震わせる
・ライダーが乗った時に背中を落とす
など

そして、こういった痛みなどの背中の問題が起きる原因も知っておきましょう。

馬の背中に問題が起きる原因

・ライダーの体重が馬の背中に対して重すぎる。
 それに耐えうる正しいトレーニングを受けていない、馬の身体の準備が出来ていない
・ライダーの誤った座り
・道具を使用して馬の動きに制限をかけた状態で、正しく運動できない
・装鞍の不具合
など

馬は、人間が乗るために進化したわけではありません。
人が乗る限り、こういった背中の問題を防ぐために、人がケアやトレーニングなどの努力を続けなければ背中の問題は常に付きまとうものです。
まずは、正しいトレーニング、正しい運動方法、正しい騎乗をすること。
もし兆候が現れたらすぐにケアをして悪化しないようにすることが大切です。
ケア方法としては、これまでご紹介してきた、マッサージやアロマセラピーなどを行いましょう。

 

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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