世界の動物事情

エリザベス女王と馬〈後編〉

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、イギリス王室のエリザベス女王と馬のお話〈後編〉です。

近衛騎兵連隊

引用:https://ameblo.jp/scotland/entry-10810291083.html

女王の有名な「キャバルリーブラック」馬は、1660 年にまで遡る世界的に有名な伝統を守り続ける王室騎兵連隊を構成しています。
王室騎兵連隊は英国陸軍の実戦部隊であり、350 人の兵士と 280 頭の馬を擁し、国家行事の儀礼部隊として活躍しています。
騎馬連隊は女王の護衛兵の任務も果たしています。

キャバリーブラックは、体高が約160㎝から180㎝程度の狩猟馬です。
100kgの男性を長時間乗せる能力が必要です。キャバリーブラックを購入してから最初のパレードまで訓練するには通常 8 か月かかりますが、馬によってはもっと長くかかることもあります。
女王はブラックに多大な関心を寄せており、怪我による傷など、どんなに小さな点にも気付きます。女王は毎年、最もよく訓練された騎兵と馬にリッチモンドカップを授与していました。

女王のお気に入りの馬

  • バルモラル ジングル と バルモラル カーリュー: ショーリングで成功を収め、繁殖牝馬となった 2 頭のハイランド ポニー。
  • ベッツィー:1960年代に女王が乗っていた黒茶色の牝馬。
  • ビルマ馬:1969年にカナダ王立騎馬警察から女王に贈呈されました。女王が最後にこの馬に乗ったのは1986年の軍旗式典で、その後は馬車に乗って誕生日パレードに参加しました。 
  • コロンブス: アン王女が競走した馬。アン王女の最初の夫、マーク・フィリップス大尉のお気に入りでした。 
  • ダブレット:1971 年にバーリーで開催されたヨーロッパ総合馬術選手権でアン王女が優勝した馬。
  • エマ: 女王のお気に入りの乗馬ポニーの 1 つとなったフェルポニー。 
  • サンクション:長年女王のお気に入り。

女王の最も多産な競走馬 

女王は長年にわたり、女王の所有する競走馬で多くの成功を収めてきました。ここでは、女王陛下の所有する最も優秀な馬たちの一部をご紹介します。これらの馬の名前を聞いたことがありますか?

  • オーレオール: ジョージ6世によって飼育され、女王の最初のトップクラスの競走馬でした。
  • ドゥーテル:女王自らが育てた最初の成功した競走馬。
  • ハイクレア:パリの1000ギニーとディアヌ賞の両方で優勝。
  • ファントム ゴールド: ロイヤル スタッドの繁殖体制の中核を担う牝馬。
  • 推定:アスコットゴールドカップ優勝。

王族と馬

馬は女王の生活に欠かせない存在であるだけでなく、他の王族の生活にも大きく関わっています。
女王の娘、アン王女はオリンピックに出場した最初の王族メンバーです。
1976年のオリンピックでは、アン王女は女王の馬の1頭、グッドウィルに乗りました。アン王女の娘、ザラ・ティンダルは母親の足跡をたどり、2012年のロンドンオリンピックで銀メダルを獲得し、オリンピックでメダルを獲得した最初の王族メンバーとなりました。

ハリー王子とウィリアム王子も熱心な乗馬愛好家で、ポロの試合に出場しています。
故エディンバラ公も熱心なポロ選手であり、馬車の御者でもあり、ヨーロッパ選手権や世界選手権に英国代表として出場しました。40 年以上にわたり英国乗馬協会のパトロンを務めていました。

 

エリザベス女王と馬〈前編〉

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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