しつけ・ケア

馬を撫でる

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は「馬の撫で方」についてです。

馬を愛し、馬と触れ合いたいと思っている人はたくさんいます。
馬と触れ合う方法や触れるには特別な方法はあるのでしょうか?
馬を撫でてあげたい場合に考慮するポイントについて説明します。


馬はそれぞれ異なり、自分のパーソナルスペースや、触れられることを好む場所、強さ、方法などについて好みを持っています。
これを判断するには、馬のボディランゲージを観察して、自分のアプローチややり取りに対する反応を把握してください。
馬が嫌がる場合は、馬は離れ、耳を立て、頭を上げます。馬が嫌がる場合は、頭を下げたり、こちらのほうに動いたり、頭を横に傾けて見たりします。

一般的に、馬の横から近づき、馬の正面や鼻ではなく、体の側面を撫でたりこすったりするのが一番です。
馬はここから人をよく見ることができ、人のボディランゲージや伸ばした腕が馬に攻撃的だと誤解される可能性が低くなります。

また、馬は引っかかれたりくすぐられたりすることよりも、強くリズミカルにこすられたり撫でられたりすることを好みます。
馬が 2 頭どのようにお互いを毛づくろいするか想像してみてください。
馬は力強く、お互いを強くこすったり引っ張ったりします。

多くの馬は、首、肩、腰、胸を撫でられるのが好きです。
頭や耳を撫でられるのが好きな馬もいます。
馬がお互いを毛づくろいしている場所も試してみるといいかもしれません。

数分間馬を撫でたり、さすったりして、馬を見ながら一緒に過ごし、それから離れてください。
馬がもっと欲しがっているなら、あなたのところに来ます。
馬の近くに立ったり、馬に話しかけたり、馬に触れたりするだけで馬にプレッシャーをかけてしまうことを忘れがちな人がいます。
馬は私たち人間のように触れ合う必要はありません。
馬はただ近くにいるだけで楽しいのです。
馬と一緒に囲いの中に入って、馬を見ながら撫でてから、しばらく座ったり見たりできる場所を見つけて、何が起こるか見てみましょう。

馬が撫でられるのを嫌がったり、逃げ去ったりしても、心配しないでください。
撫でられるのを嫌がるからといって、馬があなたを嫌がったり、あなたと一緒に乗馬をしたくないということではありません。
あなた自身、あなたのボディランゲージ、またはあなたのエネルギーを点検する必要があることを意味する場合もありますし、馬が撫でられる必要はなく、しばらく一人でくつろぎたいだけなのかもしれません。

馬と楽しく過ごし、馬がどこを、いつ、どのように撫でられるのを好むか観察してください。
そして、馬にスペースを与え、次に何をするか興味を持ってください。

馬が撫でられて喜んでいるか、嫌がっているか、最初はわかりづらいかもしれませんが、続けるうちにわかってくると思います。
馬と静かに過ごす時間、ぜひ持ってみてくださいね。

 

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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