すっかり涼しくなり、空気が清涼になって秋が深まってきましたね。
暑さから解放されて、心身共にホッとされているワンコや飼い主さんも多いと思います。
この「ホッとしている」時は季節や環境の影響を受けやすく、体調を崩しやすいタイミングです。
しっかり養生して、秋を楽しんでください。
タイトルにありますように、今回のテーマは「IBD(炎症性腸疾患)」です。
ワンコだけでなく、人間もかかる、消化器系・免疫系の疾患です。
少し前なのですが、ワンコ薬膳のアシスタントである泰介がこのIBDと診断されました。
幸い軽度なのですが、それでも様々な問題があります。
泰介がこの病気になってからまだ日が浅いということもあり、ほんのさわり程度になるかとは思いますが、東洋医学からみたIBDや、ケアのお話をさせて頂きます。

「長いお付き合いになる病気みたい」
IBD(炎症性腸疾患)とはどんな病気?
IBDとは、原因不明の慢性的な消化器系・免疫系の疾患で、主に下痢、嘔吐、食欲不振、体重減少などの症状が3週間以上続き、持続的な炎症を引き起こす病気です。
腸の炎症が起こり続け、重症になると腹水や胸水が溜まったり(たんぱく漏出性腸症)、血液が固まりやすくなるなど、命に関わる事もあります。
他にも慢性的な炎症が影響して、腫瘍が出来やすくなるとも言われています。
また、近年ではアレルギーとの関連性もあると言われています。

「特に小麦アレルギーが多いみたいだよ」
東洋医学視点から見る「IBD(炎症性腸疾患)」とは?
いろいろな考え方があるとは思いますが、東洋医学ではIBDは「脾虚(ひきょ)」と「肝気鬱滞(かんきうったい)または肝うつ」ではないかと言われています。
「脾虚(ひきょ)」とは
消化器系の機能が弱ってしまい、栄養やエネルギー(気)が不足している状態です。
脾虚になると、胃も腸も動きが悪くなり、食欲不振や下痢、嘔吐などの他に浮腫みやすい、怠い、冷えなどの症状が現れる状態です。
「肝気鬱滞(かんきうったい)または肝うつ」とは
「肝」の伸びやかに気を巡らせる働きが弱り、滞った状態です。
頭痛や眩暈、イライラ、情緒不安定、喉や胸が詰まった様な感覚になったり、筋肉が固くなって体が動かしにくくなったりします。

「僕は消化が弱いし、筋肉が固くなっちゃうんだよ」
また、肝臓は胃腸の働きを助けてくれますので、肝うつになると脾虚になりやすくなりますし、脾虚になると全体のエネルギーが減りますので肝うつになりやすくなります。
東洋医学でのIBDのケアは脾、肝の働きを整えながら「その子の弱いところ」を補いながらバランスをとり、常に様子を観察しながら体調を整えていく事が多いです。
次回は、具体的に泰介の場合の診断や治療・ケア方法をご紹介します。






























