進由紀

エリザベス女王と馬〈前編〉

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、イギリス王室のエリザベス女王と馬のお話です。

出典:BAZAAR 「エリザベス女王がロックダウン以降初めて、乗馬スタイルでお目見え!」

イギリス王室でエリザベス2世女王とその家族が馬に対して深い情熱を共有していることはとても有名です。
式典で行進する有名なキャバリーブラックから、女王が所有する数々の優勝した競走馬まで、女王の馬術への関心は多くの品種と競技に及んでいました。

女王陛下にとって、馬は幼い頃から生活に欠かせない存在でした。
実際、女王陛下が初めて乗馬のレッスンを受けたのは、わずか 3 歳の時。
そして、4 歳の誕生日には、祖父のジョージ 5 世から初めてのポニー、シェトランドの牝馬ペギーを贈られました。
女王の馬に対する愛情は生涯深まり続け、96歳になっても多忙なスケジュールの合間をぬって乗馬を楽しまれていたそうです。
エリザベス2世女王は、サラブレッドの繁殖と競走に加え、英国原産のシェトランド、ハイランド、フェルのポニーも飼育しており、これらは競走馬ショーでかなりの成功を収めているほか、競走馬ショーの専門家ケイティ・ジェラムが生産した引退した競走馬もいました。
また女王は、英国馬協会、フェルポニー協会、ハイランドポニー協会、シャイアホース協会、ウェールズポニー&コブ協会、サラブレッドブリーダーズ協会の守護者でした。

出典:ヴァンサンカン25ans「馬をこよなく愛するエリザベス女王の乗馬姿をプレイバック」

エリザベス2世女王と競馬

エリザベス2世女王は、1952年に即位して以来、競馬場では著名な存在であり、馬主としてもブリーダーとしても成功を収め、1,600以上のレースで優勝し、700万ポンドを超える賞金を獲得しました。
女王は、国中の多くの競馬会に出席していることでよく知られていました。
お気に入りのレースの 1 つであるロイヤル アスコットには、女王は馬車で登場します。
女王は、馬が地面に着地するときに鳴らす蹄の音を聞くだけで、馬場の状態 (馬場の状態) を判断できると言われていました。
1953 年、女王はクワイア ボーイがロイヤル ハント カップを制し、初めての勝利を収めました。
女王の競馬顧問兼血統管理者のジョン・ウォーレンは、競走馬が女王の色(紫の体に金の編み紐、緋色の袖、金のフリンジの付いた黒いベルベットの帽子)を守るのを手伝っています。

エリザベス2世とブリーディング

女王陛下は、馬の繁殖に強い関心をお持ちでした。
ノーフォークのサンドリンガム エステートにあるロイヤル スタッドを定期的に訪れ、そこで子馬が生まれ、その後ハンプシャーのポルハンプトン スタッドに送られ、そこで 1 歳の子馬として育てられます。
その後、数名の調教師のトレーニング施設に引き渡されます。
レースを終えた馬は、引退するまで女王陛下の管理下に置かれ、一部はショー リングでのキャリアを楽しみ、その他の馬は売却されます。
女王は、サラブレッドのほか、スコットランドのバルモラルでシェトランドポニー、ハンプトン コートでフェルポニーを飼育していました。
2007 年、女王は品種の強化と保護を目的として、バルモラルにハイランドポニーの専属種畜場を開設しました。

後編に続く。

進 由紀

進 由紀

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(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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