小林豊和

獣医師とつくる ペットの健康を考えるごはん 第1回 ペットにとっての食事を考えてみましょう

獣医師とつくる
ペットの健康を考えるごはん

  第1回
    ペットにとっての食事を考えてみましょう

    


食事は最高の“活力源”です

 
「医食同源」という言葉があるように、食事はとても大切な活力源です。
それは食事から得られる栄養が唯一の体を作る素材だからです。
いいものを美味しく食べれば体もそれに合わせて健康な状態になっていきます。

また、体の健康は心の健康も作り出します。
最近では、犬や猫も味が分かると言われています。体も心も、食べているフードに満足できる。そんな食生活はペット達を健康にするカギなのです。
そうして楽しい気持ちで美味しく、いいものを食べることは、健康を維持すること、損なわないことに繋がります。ペット達は人間のなかで生活している限り、自分では生活習慣をコントロールできません。
食事を考えるということは、ペット達の“健康”を飼い主さんが守っているということになります。

 

健康で長生きするために

ではペットが健康である、というのはどんな状態でしょうか?


 
いろいろなことが挙げられますが、食事をテーマに考えてみましょう。
 
  食事を楽しんで食べている
  適切な栄養素をきちんと取れている
  免疫力が高い
  自然治癒力が高い


ペットに何を食べさせたらよいか、悩んでいる飼い主の方は決して少なくありません。
少しぐらいの不調はじっとしていれば自然に回復している体の状態、そんなことがペットにとって一番幸せで健康な状態です。もちろんペットと一緒に長く生きられることは、飼い主さんにとってもこの上ない喜びであるはずです。

 

病気も食事でできてくる

しかし、元気な心と体が食事から作られるのと同じく、不調も食事から生まれてしまいます。体は隅々まで、食べたもので構成されているからです。
すべての生物の体は本来、とても自然なものです。体を作っている要素は、地球の構成要素と一緒です。だから地球が育んだ自然のものだけが体の中に入っていれば、無理なく健康でいられます。
けれど、今はさまざまな添加物が使われているために不自然なものが体に入ってくる機会が増え、それによって作られる不調は少なくないと言えるでしょう。
そうして生まれた不調は、言い方を変えれば体が不自然なものを取りこむのを拒否しているということです。
だから健康を保つためには、体がなじむ自然なものを食べることがとても大切なのです。

 

私たちは普段、動物病院でたくさんのペット達と接している獣医師です。
病院ですから具合の悪いペットが来ることが多いのですが、その病気の原因に食事の内容があるのでは?と思えるものが少なからずあることを感じていました。

そこで私たちはこれまでの経験を生かし、これから出会うペットが元気になるようにフードを作ろうということになりました。

 

次回は、獣医師が考えた手作り無添加ドッグフードをご紹介します。

獣医師とつくる
ペットの健康を考えるごはん 第2回
1頭1頭の個性に合わせたフード

小林豊和

小林豊和

投稿者の記事一覧

(こばやしとよかず) 

獣医師/グラース動物病院院長

1963年 東京都生まれ 
1989年 日本大学大学院獣医学研究科修了 
   都内の動物病院、大学病院で研修 
1993年 グラース動物病院 開業 
帝京科学大学非常勤講師/ペットシッタースクール(ビジネス教育連盟)講師/ペット栄養管理士/産業カウンセラー
((社)日本産業カウンセラー協会認定) 
動物の健康と長生きのサポートを理念とし、グラース動物病院を開設。 
食事指導、肥満管理にも積極的に取り組み、2010年より手作り無添加ドッグフード「マスターピース」の製作・販売を手がける。

グラース動物病院 ホームページ: http://grace-ah.com/index.html

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