犬にしてもらいたい動きを伝えるとき、手(ハンド)を追うことを教えておくと、犬の動きを誘導しやすくなります。
トリックをする準備として、ハンドラーの手(ハンド)をターゲットにすることを教えましょう。
【 ウォーミングアップ 】 ハンドターゲット
- ステップ1 -
《意識付け》手の平を追わせる
手の中指と薬指の間に、犬が好きなオヤツをはさみ、犬に匂いを嗅がせます。
** ポイント **
匂いを嗅ぐだけ!オヤツを食べられないように注意しましょう。
次に、犬の鼻が届かない位置に手をサッと動かします。
オヤツを追い、手の平に犬の鼻が当たったらほめてあげます。
グット!イエス!いいね!などを一言、それと同時にオヤツをあげましょう。
この手順を繰り返し練習すると、犬は、サッと出される手の平を追いかけるようになっていきます。
左右どちらの手でもできるようにしておくと、トリックを教えやすくなります。
【 トレーナーからのヒント 】
1回のセッションは、3分以内。
犬も人も飽きない程度にしましょう。
腹八分目で終わらせることが、犬の意欲アップにつながります。
- ステップ2 -
《意識強化》手の動きを大きくします
犬が鼻を手の平に当てるまでの動きを大きくします。
右から左、左から右、大きく手を動かして犬が追い付くための距離やスピードのハードルをあげます。
そして、今までと同じように、鼻が手の平にタッチしたら褒めてオヤツをあげます。
【 トレーナーからのヒント 】
「逃げるものを追いかけたくなる」という、犬の習性を活かしましょう。
オヤツを持った手を大きく動かしたり、鼻が当たる直前でサッとかわすことで、犬はより意欲的になる傾向があります。
- ステップ3 -
《指示の伝達》コマンドを入れる
ハンドターゲットを犬が喜んでやるようになってきたら、手を動かし始める前にコマンド(合図)を入れていきます。
「タッチ」など。
コマンド → 手を動かす → 手に鼻が当たったら褒め言葉+オヤツをあげる
この流れをスムーズにできるようになったら、次のステップへ!
- ステップ4 -
レベルアップ!オヤツを後出しにする
犬が意欲的に手の動きを追い、動きがよくなってきたら、オヤツを使わずにできるようにします。
1. 両手にオヤツを持ちます。
オヤツを手に挟んでハンドターゲットをします。
手の平にタッチしたら褒め、逆の手からオヤツをあげます。
2. ターゲットにしない手だけにオヤツを持ちます。
手の平にオヤツを挟まずハンドターゲットをします。
タッチしたら褒め、逆の手からオヤツをあげましょう。
3. オヤツを手にも持たず、ポケットに入れておきます。
動きが定着してきたら、オヤツを持たずにハンドターゲットをして、できた時にポケットから出してあげましょう。
【 トレーナーからのヒント 】
いきなり手にオヤツ持たずにハンドターゲットをせず、ひとつひとつ段階を踏んでレベルアップしていきます。
犬に、オヤツを持っていないことを気づかせないようにしながら、「手にオヤツがあってもなくても、ハンドターゲットができたらオヤツが貰える」と理解させると成功しやすいです。
磁石のS極とN極でまるで吸い付くかのように、出した手の平にタッチするぐらい意欲を高めておけば、次のトリックトレーニングが断然しやすくなります。
ここまでできたら、いよいよ実践トリックトレーニング!
次回「8の字股くぐり(エイト)」「ジグザグくぐり(スラローム)」の練習の仕方をご紹介します。