東洋医学的冬支度!
次は「腎」をケアする方法とツボマッサージをご紹介します。
腎ケアは冷やさないのが基本です
腎は寒さや冷えが苦手です。「冷やさない」を心がけて、お洋服や腹巻きなどで腎のツボのある腰回りの冷えを防いであげて下さい。
温めたい時はお灸や小豆温パック(小豆のチカラなど)ぬるめのお湯を入れた湯たんぽを使うと良いです。
※貼るカイロは使用しないでください。
ワンコの皮膚は人間よりも薄く、低温やけどを起こしやすいです。
症例も報告されていますので、絶対にやめましょう。
体の温めパワーをアップ!血を増やそう
体が冷えやすかったり、浮腫みやすい、乾燥しやすい体質のワンコは(人も同様)血が足りていない事が多いです。
「別に貧血では無いし…」
「検査してるけど、正常の範囲内だし…」
と思われるかもしれません。
検査や症状として現れている状態ですと、その体にとっては
「かなり足りていない」
「病気の一歩手前」
の状態です。
そのかなり前の段階の「ちょっと血が足りて無い状態が続いている」となりますと、皮膚や被毛がぱさついたり、四肢が冷えていたりというちょっとした不調となって現れてきます。
飼い主さんの中にも「手足が冷たくて辛い」「唇が切れやすい」「手が乾燥していてハンドクリームが手放せない」という方は少し血が足りていないかもしれません。
生活習慣や食べ物でしっかりと血を補給して、ポカポカ、ウルウルの体を目指しましょう!
血を補う食材を摂る
血を補うことができる食材を積極的に食べていきましょう!
《血を補うことができる食材》
ほうれん草・ニンジン・黒キクラゲ・黒豆(黒豆のみの黒豆茶でもOK))・黒ゴマ ・牛肉・豚肉・卵 鮭・ブリ ・カツオ・マグロ・ひじき・うなぎ・穴子
※レバー
(しっかりと脂抜きしたもの。お腹が弱かったり、疲れているワンコには負担が大きいので要注意です)
※ワンコNGですが飼い主さんにおススメのもの
イカ・牡蠣・桃・ぶどう・アーモンド
「うなぎは大昔は腰痛の薬だったんだよ。腎を温めて腰を治すんだって。」
現代では贅沢ですね〜。
日向ぼっこでパワー補給しよう!
東洋医学では、体の前面が「陰」後面(背中側)は「陽」とされています。
背中に陽光を当てると体を温めるパワーを補い、腎のパワーアップもしてくれます。
のんびり日向ぼっこでも良いですし、お日様を浴びながらゆっくりお散歩もおススメです。
冬の運動は少し控えめに
意外に思われるかもしれませんが、運動は少し控えめにするのがベターです。
先ほどお話させて頂いた通り、腎は寒さが苦手で気温が低いと不調になりやすいですし、元気なワンコでも腎のパワーをたくさん消費して疲れやすくなってしまいます。
とはいえ、お散歩はワンコにとってはとても重要な活動です。
お洋服が大丈夫なワンコは防寒して、お洋服が苦手なワンコは帰宅したら体を温めてあげると腎ケアになります。
特に、シニアのワンコや足腰や腎系に不安、不調のある場合は防寒するだけでとても良い養生になります。
飼い主さんも同様で、冷えた体はそのままにせず、お白湯を飲むなどして体の中から温めてあげて下さいね。
* ツボマッサージでケア
《ワンコにマッサージをするときの注意点》
・長時間マッサージする必要はありません。数秒撫でるだけでも充分な効果があります。
・長くても全部で10分〜15分程度で終わらせて下さい。もちろん数分でもOKです。
・やり過ぎると筋肉のバランスが崩れたり、逆上せなどの不調の原因となります。
ワンコに「痛気持ちいい」感覚はありません。
あくまでも優しくマッサージしてあげてください。
*腎兪(じんゆ)・命門(めいもん)
〇腎兪は、
第二腰椎と第三腰椎の間の☆印の場所にあります。
分かりにくかったら一番下の肋骨を辿って背骨とぶつかる場所です。
腎のパワーを高め、全身の不調を整えてくれます。
腰痛などの足腰の痛みも軽減してくれます。10秒ほど指圧するか、前後に摩って下さい。
〇命門は、
腎兪の間の◆の印の場所にあります。
おへその真裏にあるこのツボは温めると全身が温かくなります。
撫で摩る様にマッサージして下さい。
小豆温パックや腹巻きなどで温めるのもおススメです。
冷えによる頻尿、夜間頻尿の改善も期待できます。
*三陰交(さんいんこう)
後ろ足の内側でアキレス腱のすぐ下の☆印の場所にあります。
脾系、腎系、肝系の3つの経絡が交わっている所です。
消化器系、腎臓、肝臓を強化して、喉の渇き、貧血、皮膚の痒み、情緒不安定を和らげてくれます。10〜15秒ほど指圧するか、前後に撫で摩ります。
*関元(かんげん)
お腹にあります。
おへそと恥骨を結ぶ線を三等分して、3分の2くらいおへその方に下がった☆印の場所にあります。
腎臓の状態を安定させ、体を温める効果があります。失禁にも効果が期待できます。
ここは恥骨からおへそにかけてを優しくマッサージしてあげてください。