後編は、群れの中での出産、人間と馬とのコミュニケーションのために抑えておきたいポイントのお話です。
群れの中での出産
子馬の毎年の出産は、群れの生活の重要な部分です。
妊娠中の牝馬は通常、子馬を牡馬と一緒に群れの端の位置に配置するために群れから離れ、牝馬と子馬が守られやすいスペースを維持しようとします。
群れの力学は、子馬の安全、つまり群れの将来を確保するために設定されています。
誕生から数時間以内に、子馬は立ち上がって母親から乳を飲みます。
牝馬と子馬の間には信じられないほど強い絆があります。
子馬は十分な自信が持てるまで、母馬の側を離れません。
牝馬は子馬が十分な筋力を発達させ、外敵から身を守るために、子馬が動き続けるようにします。
種牡馬はまた、子馬と遊んだり、群れのエチケットについて教えたりすることで、子馬の育成にも積極的な役割を果たします。
ここまで馬の群れの行動の基本的な部分をお話ししました。
馬のこういった社会性を尊重して馬とどう接していくかを考える事は、人間の役割だと思います。
では、知っておくと役に立つポイントをお伝えします。
人間と馬とのコミュニケーションのために抑えておきたいポイント
・馬はリーダーがいることを好みます。
・一部の馬は消極的で、これ以上順位を上げることを望まないため、リーダーを喜んで受け入れます。
一方で、自己主張が強く、順位を上げてリーダーになろうとする馬もいます。
・馬は習慣性があり、変わりない毎日を楽しみます。
・グルーミングし合う馬の絆はとても強いです。
人間で言うと「懐に入る」感じです。
・リーダーの役割を引き受けるとき、馬の安全を守り、餌を与え、水を与え、睡眠、毛づくろい、並んで歩くなどの相互活動に参加するのが人間の仕事です。
・争いはリーダーの即時叱責によって解決されます。
リーダーは叱責直後に切り替えて次の行動に移ります。馬は根に持ちません。
・馬は社交的で、他者との交流を楽しみ、前進し続ける本能を持っています。
「この子にとって自分は群れの中でどのポジションにいるかな?」と常に自問自答してみてください。
ある場面では下位ランクに追いやられている事もあるかもしれません。
あるいは親友になれているか、またある場面では頼りがいのあるリーダーになれているかもしれません。
親友にもなりたいし、馬を守り率いる事のできる頼りがいのあるリーダーにも、いつかなってみたいものですね!