健康・病気

ペットの医療・健康 第10回 尿検査について知ろう

ペットの医療・健康
     

第10回 尿検査について知ろう

    


動物にとっても人にとっても、いちばん基本的な検査が「尿検査」であり、尿は健康状態をみるシグナルの宝庫です。
体内の不要物を含んだ血液が腎臓でろ過され、リフレッシュした血液は再び体内へ吸収されますが、ろ過して残ったものは尿として排出されます。
尿には、はがれた細胞や老廃物、余分な水分や栄養素、分泌物などさまざまな物質が混ざっています。
病気になると、尿に含まれる物質や尿量、尿のにおい、色、回数、出方などが変わります。
そのため、血液検査と並んで尿検査が診断上重要になります。
そして、尿検査でなくてはわからない病気もあります。
 
第10回は、尿検査の方法や尿検査でわかることをお伝えしていきます。
第11回からは、尿路の病気や頻尿から推測される病気についてお話していきます。

 自宅でできるペットのおしっこチェック項目

日頃から、ペットの尿をする回数や量を把握し、病気の早期発見できるようにしましょう。

*排尿時の素振りがいつもと違う

    「最近、決められたトイレ以外で我慢しきれず、してしまうことが多い」
    「おしっこをする素振りを繰り返すのだが、尿の出方が少ない(出ない)」など

*飲水量やおしっこの量、回数に変化がある

    「量が多い」
    「回数が多い」
    「水の飲み方が多い」など

*おしっこの色や様子に変化はありませんか?

    「色が赤みがかっていたり、血が混じっている」
    「尿色が薄い」
    「濁っている」
    「おしっこの中にキラキラと光るものがある」
     「ベタベタしている」など

 動物によって特徴がある

*猫

猫の祖先はアフリカの砂漠で暮らしていました。
水の少ない環境に適応するため、猫は水分を節約するためおしっこを濃縮する能力に優れています。
しかし、このことが腎臓に負担をかけ機能障害をおこしやくすしたり、水分摂取が必要な状態なのに水を飲まないということにつながる場合があります。
水を飲みたいときのために、新鮮なお水をたっぷりと用意しておくことが大切です。
特に、猫の場合は水をこまめに入れ替えしてあげましょう。

*うさぎ

カルシウム代謝には特徴があり、血中のカルシウムが尿中に排泄されます。
そのため、うさぎのオシッコは正常でも濁っています。

*鳥

排泄物の出口が1ヶ所(総排泄口)なため、うんちとおしっこを一緒に排泄します。

 尿の採取方法

尿採取は 自宅でできれば1番はじめにした尿を摂取して、新鮮なうちに(採取して数時間以内)病院へ持参することがおすすめです。
尿採取用のキットを用意している病院もありますが、もしキットがないときは、紙コップや紙皿、おたまなどを利用するとよいでしょう。
採取後、密閉容器に入れて病院へ持っていきます。
(このとき、容器やおたまは必ずきれいなものを使用しましょう。洗剤などがついていないように要注意)
また、屋外で採取する場合は、土などに採取部が触れないように注意しましょう。
神経質な子の場合、尿が出る前に用意すると排泄をやめてしまう場合がありますので、採取は尿が出はじめた瞬間がいいでしょう。


 尿検査でわかること

① PH値

尿のpHが酸性・アルカリ性のどちらかに偏っていないか確認するために行います。
中性が「7」、それより数値が低ければ酸性、高ければアルカリ性です。
ちなみに犬や猫の正常値は5.5~7.0とされています。
 
酸性、アルカリ性のどちらに傾いても特定の尿石ができやすくなります。

② 尿比重

水に対する尿の重さを量ることで尿を濃縮する機能をチェックします。
犬は、1.015~1.040、猫は1.015~1.050が正常値とされています。
尿比重値が正常値より下回る場合は、尿の濃縮能力を低下させてしまう腎不全などの疾患が考えられます。

③ 蛋白尿

尿中のたんぱく質量を表します。
犬の正常値の目安は、0~100mg/dlとされています。
値が高い場合は、蛋白尿が出る原因を追究します。
原因として尿路の内壁などが炎症を起こしている場合などがありますが、血液検査などその他の検査の結果も併せて診断を進めていくことが多いです。

④ 尿糖

正常な状態では、尿中にブドウ糖は検出されません。しかし、腎臓(尿細管)でのグルコースの再吸収が追いつかなくなると尿に排出されるようになります。尿糖が出る疾患としては糖尿病が有名ですがその他にも急性腎不全などがあります。

⑤ ケトン体

ケトン体とは、エネルギー生産のためにブドウ糖を利用される代わりに、脂肪を分解するとき生じる化学物質を総称した呼び方です。ケトン体が血液中にたまると尿中にも排出されます。
糖尿病などの疾患でこのケトン体が検出されることがあり、正常な尿では検出されません。

⑥ ビリルビン

赤血球中のヘモグロビンが肝臓や脾臓などで壊されたときにできる胆汁色素をビリルビンといいますが、通常は肝臓で代謝され胆汁としてに排泄されますので尿に出てくることはありません。
ただし、何らかの疾患で、赤血球が多量に破壊されたり、肝臓や胆道に障害があり胆汁の流れが妨げられるとビリルビンが血液中に増えてしまい尿に排泄されるようになります。正常な尿では検出されることはありません。

⑦ ウロビリノーゲン

ビリルビンが腸内細菌によって分解されたものがウロビリノーゲンです。大半はウンチと一緒に排泄されますが、一部が腸管から吸収され肝臓へと戻り尿中に排泄されることがあります。
正常な尿では検出されることはありません。

⑧ 潜血

炎症や感染により尿路などから出血することで尿に血が混じることがあります。

 

次回からは、尿路の疾患についてお話していきます。

 

2014年7月11日掲載

 

 

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 GORON 吉川奈美紀 

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