健康・病気

動物たちの長生きと悪性腫瘍(がん)の関係 〜犬と猫の腫瘍(がん)発生傾向と発生原因〜

犬の腫瘍(がん)発生の傾向

死因の約6割近くが悪性腫瘍である犬ですが、発生する腫瘍の多くが良性腫瘍であることが特徴です。
犬の腫瘍ができる部位でいちばん多いのが、皮膚や軟部組織です。
その多くは良性腫瘍で、腫瘍の種類別で見ると、皮膚組織球腫(24%)・脂肪腫(21%)・腺腫(10%)、発生率上位3番目まで良性腫瘍が占めています。

《犬の腫瘍 部位別の発生率》

皮膚・軟部組織 59%
乳腺 8%
泌尿生殖器 6%
造血器・リンパ系 6%
内分泌器官 5%
消化器 5%

猫の腫瘍(がん)発生の傾向

猫の場合、残念ながら悪性リンパ腫の発生率がもっとも多く、その数は抜きでています。
また、犬と同様に皮膚や軟部組織にできる腫瘍も多くあります。
ただ犬との違いは、その多くが扁平上皮癌や線維肉腫のような悪性腫瘍であることです。

腫瘍の発生原因

犬や猫だけに限らず、人の腫瘍も発生する理由は、何らかの原因によって細胞内の遺伝子が傷つけられ、その細胞の異常な増殖が止められなくなってしまうためです。
高齢になるほど腫瘍が発生率が高くなるのは、細胞内の遺伝子が長い年月で徐々に傷害されたと考えられます→加齢に伴う遺伝子傷害
その他、外部から遺伝子傷害を招き、細胞をがん化する影響と考えられているものがあります。
化学的発がん因子 … 化学物質・大気汚染物質・排気ガス・タバコの煙・食品および食品添加物など
物理的発がん因子 … 放射線・紫外線・熱線など
生物学的発がん因子 … 腫瘍ウイルスなど

*参考文献:イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科

私たちが暮らす環境は、化学的にも物理的にも生物学的にもストレスで埋め尽くされています。
食生活の改善や住環境の見直しなどできることをしながら、身体が受け取ったストレスを少しでも流し出せるように、ストレスに強い身体作りも大切なのではないでしょうか?
適度の運動と季節ごとのケア、近年注目されている東洋医学や薬膳、マッサージなど、代替療法を取り入れるのもいいでしょう。

動物たちの長生きと悪性腫瘍(がん)の関係 〜腫瘍(がん)とは〜

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

投稿者の記事一覧

(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

関連記事

  1. 老犬と暮らすために-骨関節炎- 第1回.年齢と種類
  2. ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜今年は強烈!春の陽気に気をつけて〜…
  3. 2020年動物愛護法改正を基に非獣医の帝王切開手術を考える「非獣…
  4. 2016年の動物愛護週間 環境省や動物愛護団体のイベントに参加し…
  5. ズーノシス(人畜共通感染症)を知ろう
〜「重症熱性血小板減少症(…
  6. 馬は立って寝るの?
  7. 2020年動物愛護法改正を基に非獣医の帝王切開手術を考える「帝王…
  8. 犬の白内障

今月の人気ランキング

PAGE TOP