しつけ・ケア

犬のデンタルケア 第2回 虫歯・歯周病の予防

犬のデンタルケア

第2回  虫歯・歯周病の予防

    永倉安弓


  歯周病や虫歯などの歯の病気は、全身の病気を引き起こす可能性があります。ペットの健康のためにも、日ごろからの予防が大切です。今回は、これらの予防やデンタルケアグッズについて説明します。

虫歯・歯周病の予防

  獣医さんに尋ねると、人間と違い、犬や猫の場合歯の治療の多くは全身麻酔によって施術が行われるそうです。ただでさえ全身麻酔は体への負担が大きいのに、動物の小さな体にとっては、さらに負担がかかります。自分の愛するペットが虫歯や歯周病にならないためにも、人間と同じように、”予防”が大切です。愛犬・愛猫に健康に長生きしてもらうため、毎日の歯磨きを習慣づけましょう。

  歯周病の予防には、歯と歯茎のすきま(歯周ポケット)に入った歯垢をかき出す必要があります。そのため、ブラシの使用が不可欠です。
 歯垢を放っておくと、3日後には歯石となってしまいます。歯石になってしまうとブラッシングで取ることはできませんので、歯石を防ぐためのブラッシングが大切だといえるでしょう。

デンタルケアグッズ

  最近はさまざまな犬や猫用のデンタルケアグッズが販売されていますので、そういったものも上手く活用できます。オモチャで遊ぶときでも、ロープタイプのものを噛ませるとロープの繊維が歯に絡み、この繊維が歯垢の付着をある程度防いでくれます。

犬用の歯ブラシ
  ブラシ部分はやわらかく、小さくできているものが多いようです。上下にブラシがついているものや、指にはめて使うものなど、さまざまな種類があります。
デンタルケアおやつ
  ガム、ササミ、ジャーキーなど、かむことによって歯磨き効果が期待できます。
おもちゃ
  ロープやゴム製のものなど、多くの種類のデンタルケアおもちゃがあります。愛犬にあったおもちゃを探してみてください。
  歯ブラシのヘッド部分に研磨剤を含有するシリコンゴムをマウントした犬用の歯のクリーナー や、歯ブラシにスプレーして使うスプレータイプ、歯ブラシが嫌いな犬でも使える、シートタイプのウェットクリーナーなどがあります。

  ペットフード会社からは、歯垢をつきにくくするさまざまなフードが発売されています。また、歯垢予防専門のドライフードでなくても、ドライフードをしっかり噛むことで歯垢をつきにくくする効果が期待できます。

 動物は、ものを噛むことによって口内洗浄の役割をもつ唾液を多く分泌し、口の中の汚れや細菌を減らすことができます。唾液のおかげで、虫歯や歯周病を予防できるのです。しかし、残念ながら多くの飼い主さんが、犬が食べやすい、あまり噛むことなく飲みこめてしまう粒が小さめのドライフードを選ぶ傾向にあるようです。ドライフードを選ぶときは、できるだけ大きめの粒を選び、噛ませるようにしましょう。

次回は、歯の磨き方について解説します。

犬のデンタルケア 第1回 歯の病気と歯磨き

犬のデンタルケア 第3回 歯の磨き方

永倉安弓

永倉安弓

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(ながくらあゆみ)

ドッグトレーナー

大学卒業後、ドッグトレーナーになるために渡豪
パピーインストラクターコース、ドッグトレーナープラティカルトレーニングコース、イクステンデッド・インストラクターコースを修了
オーストラリアヴィクトリア州で公認ドッグトレーナー・インストラクターとなる。
オーストラリアドッグトレーニング協会所属
AAPDT(Australian Association of Professional Dog Trainers INC.)メンバー。

犬のしつけ・ドッグトレーニングなら BIG PAWS (著者運営サイト)
http://www.bigpaws.jp/index.html

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