犬と暮らす女性のために
第7回 これからもずっと
岸本 芭瑠美 メディカルアロマテラピスト・講師
犬や猫の殺処分は、良いことではありません。…なのにしてしまう。生き物に対して心構えがなくても飼えてしまう。エキゾチックアニマルなどもそうですよね。
飼育放棄している方も、殺処分をしようと思って飼い始めたのではないと思います。一緒に暮らし始める前に間に入っている人々からの情報は少ない。
人生の場面が変わると、飼えないときもあります。そういう場面を本当は把握していないといけません。犬や猫を里子に出すときも、結婚している家になら渡しやすい。独身ですと環境が変わりやすいからです。
ですから、考えて飼ってほしい。犬・猫をよく知ってから飼ってほしい。人間とはちがう生き物なのですから。
人間の子育てを100%できる方でも、人間と犬や猫は、ちがうことをわかってほしいのです。特に犬には、理解しきれないこともあります。
ブリーダーやショップ、そして流通を厳しく規制すべき、という意見をよく耳にします。たしかにそう思います。
また、犬の習性を論じたり、飼い主の責任ばかりをさけんでも、現状ではどうにもならないことが多いはずです。
ですから、現状の問題回避の方法を考え、説明することがリーダー層には必要なのではないかと思います。その説明ができないのは、犬にも飼い主にも失礼なのではないかと思うのです。
有識者層では抽象的な議論が延々となされており、現状の分析や問題解決に対して、歩み寄りができていないと感じざるをえないのです。
飼い主どうしの意地の張り合いのようなものが散見されるのですが、あまり好ましいものとは思えません。
うんちのピックアップを素直に行わないことや、「うちの子に限って」的な行動は、犬への愛の証のようにみえます。しかし、自分たちだけがよければいい、というのは社会全体では支えきれない、好ましくない行動につながっていくのです。
今までは外部の方から呼んでいただいて、外に出かけて講演やセミナーを行ってきました。
これからは、できれば一か所にいて、そこに来ていただけるようにしたいと考えています。
だんだん、外へ出てばかり、といのも体力的にきびしくなってきました。2時間の講演をするのに1日つぶれてしまうような感じですので、そこをなんとかしたいと思っています。
そして、「ここに来たら岸本がいるよ」という場所にしたいんです。事務所を構えたくて、年明けから動いて物件を探そうと考えています。
メディカルアロマなどを伝えられる施設にしたい。イメージでは、ここに来ると「岸本がこたつに入っている」みたいな気軽に立ち寄れる場所にしたい。70、80歳になっても、飼い主さんたちのそばにいられるようにしたいのです。
その頃には、だんだん話す内容も変わってくるかもしれません。高齢の飼い主に飼われた犬たちの、次の里親をきめる仕事も必要になるかもしれません。
年相応の経験を通して、同時代の飼い主たちの気持ちをわかってあげられる人になれたらいいなぁと考えています。
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