アニマルライツ

殺処分ゼロを目指して~「ちばわん」の活動から~ 第5回 ボランティアのいろいろ

殺処分ゼロを目指して
~「ちばわん」の活動から~

第5回 ボランティアのいろいろ

    


‐スタッフはみなさんボランティアなのですか?何名くらいいらっしゃるのでしょう?

運営ボランティアによる いぬ親会準備

参加犬の案内を書く運営ボランティア
運搬ボランティアによって預かりさんの元へ

  全員がボランティアです。250名 くらいいます。

‐ボランティアといっても、様々なお仕事があるようですが。

  まずは“預かりボランティア”です。千葉県動物愛護センターに収容されている犬や猫を一時的に預かって、いぬ親さん、ねこ親さんが見つかるまで自宅で面倒をみるのがお仕事です。それから、いぬ親会・ねこ親会の”運営ボランティア”。会場を整備したり、テントを立てたりの作業はもちろん、受付や会場案内などのお仕事を担っています。“運搬ボランティア”は、愛護センターから預かりボランティアさんのお宅に犬猫を運んだり、ご寄付いただいた物資を届けるなどのお仕事をします。地味ですがとても大事なものとして、愛護センターの清掃をお手伝いする“清掃ボランティア”もあります。また、いぬ親会やねこ親会のときの健康相談やケアについてアドバイスをくださる“獣医さん”、爪切りなど、グルーミングをしてくださる“トリマーさん”もボランティアでご参加くださっています。「預かることはできないけれど掃除なら行けます」とか「運搬ならできます」とか、みんなでできることを少しずつやろうというスタンスがいいと思っています。無理をしてやめてしまうより、小さなことでも無理せずに長く続けていただきたいです。

‐いぬ親会など拝見していると、みなさん生き生きとしていますね。

  こういう活動ですから、厳しい現実に目を向けなければなりません。当然楽しいばかりではないんです。でも出会いの場である犬親会はみんな張り切っていますし、楽しいですよ。そして私たちが楽しく生き生きとボランティアに参加している姿を見ると、自分もやってみたいと思う人も増えるんじゃないでしょうか。そうやって少しずつ輪を広げて行けたらいいと思っています。

感染症の拡大を防ぐ

‐千葉県動物愛護センターでの清掃ボランティア活動について教えてください。

  愛護センターでは感染症で亡くなる子が非常に多いんです。普段は職員さんがお掃除をしてくださっていますが、とにかく多忙で掃除に時間をかけていると本来の業務に支障を来すことになってしまいます。県に改善を働きかけても実現までには時間がかかるでしょう。ならば今できることをしよう、と。まったく初めての方でも事前に申し込んでいただければ参加できます。

‐清掃ボランティアを続ける意義はどういうところにあるのですか?

  最近掃除の仕方がより細かく丁寧に変わったのですが、感染症で亡くなる数が減ったと聞いています。犬舎を清潔に保つことによって感染症の拡大を防ぐことが一番の目的なのですが、ボランティアが入ることで普段あまり知る機会のないセンターの様子が外に伝わるという意味も大きいと思います。また、ボランティアは一回の清掃にかける時間が比較的長いので、具合の悪い子を発見しやすいのです。「あの子の様子を注意深く見ていてください」などと、センターの獣医さんにお願いすることもあります。具体的に自分たちの貢献が実感できるとやりがいにつながりますね。

  
清掃ボランティア

  次回は、実際に預かりボランティアをされている方に、活動についてのお話を伺います。

殺処分ゼロを目指して
~「ちばわん」の活動から~
第4回一匹でも多く助けるためには

殺処分ゼロを目指して
~「ちばわん」の活動から~
第6回 預かりボランティアって?

扇田桂代

扇田桂代

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(おうぎだ かよ)

ちばわん代表

動物愛護団体「ちばわん」(2002年設立)代表。1975年生まれ。法律事務所勤務。 
千葉県内の多頭飼育現場レスキューから、犬猫の保護活動に本格的に関わるようになる。現在関東全域に散らばるボランティアの協力の下、「殺処分ゼロ」を目指し主に千葉県動物愛護センターから引き出した犬猫の新しい飼い主を探す活動を続けている。

ちばわんホームページ:http://chibawan.net/

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