アメリカの動物事情
第1回 アメリカの動物事情
2011年3月、東日本大震災、そして福島第二原発事故が起こり、人々と動物たちが今まで経験をしたことのない危機的な状況におかれたとき、きっと誰もが「自分にできることは何か?」と考えたのではないでしょうか。私もそのひとりでした。
マスコミだけではなく、インターネットで多くの情報と個人とのつながりが持てるようになった今、現状を知ろうと、できる事を探そうとキーをたたいていました。
そのとき出会ったのが、Dear Pawsが運営していたブログ「被災地動物情報のブログ」でした。
【被災地動物情報のブログ】
東北地方太平洋沖地震の迷子動物情報や支援先、獣医さんの情報を公開しています。
ライターでありDear Pawsのサイト運営者である神野あきらさんは、アメリカの東海岸メリーランド州で現地シェルターのボランティアやアニマルレスキューへの参加、米国NPO法人「Sunshine Smile」を設立し、子どもたちに動物の適正飼育を絵本などを使って教えるなど情操教育を目的とした活動をしながら、アメリカと日本の様々な動物事情の改善の糸口として、動物に関する様々なツールのダウンロードやより多くの方に向けた動物に関する情報を発信提供しています。
【Dear Paws】
アニマルレスキューを通じて、人も動物も幸せに暮らせる社会つくりを。
アメリカでのレスキュー活動と雑記。
【Sunshine Smile】
子どもたちに動物の適正飼育を絵本などを使って教えることにより博愛精神を育むことを目的としています。アメリカを拠点としたNPO団体です。
今後、日本の動物愛護を考えたとき、法令の整備やシステムも大切ですが、何より必要なのは一人一人が意識の中に動物愛護を持つことだと考えます。
そして今回、神野あきらさんのご協力をうけ、Dear PawsそしてSunshine Smileで発信している情報をGORONに掲載させて頂くこととなりました。
より多くの方の中に、動物たちへの意識がとどまり、動物たちの置かれている状況にいい変化があることを願います。
アメリカには、動物愛護活動(アニマルライツ)に関わるシェルター(保健所)やレスキューグループ(動物愛護団体。以下アニマルレスキュー)が5000以上あると言われています。
アメリカ国内で保健所に収容される犬猫の数は、年間600~800万頭と日本の20倍近い数字ですが、収容動物の95%以上が殺処分されていく日本の現状に比べると、その半数は譲渡され、新しい家族との暮らしを手に入れています。
(アメリカでは、収容頭数の集計は州やシェルターに一任されているため、正確な統計が出ていません。しかし全米で最大の動物愛護団体、米国動物愛護協会=HSUSの関係者によると、実際に殺処分される動物の数はそれ以上とも言われています)。
アメリカは、数十年前までは狂犬病発生国であることもあり、シェルターに収容された動物=殺処分という暗黙の了解がありました。
しかし、わずか数十年で各自治体と動物愛護団体の努力が実を結び、その数を半分にまで減らす事に成功しました!
次回は、アメリカのシェルター(保健所)について。
【Dear Paws】
「アメリカの動物事情」より 2012/7/13引用
【注意】このテキストは2010年9月の情報です。告知なく変更や訂正をする事があります。また、文中アメリカと表現していますが対象はメリーランド州に限定しています。アメリカの動物に対する取り組みや考え方は州法や自治体、生活形態により違いがあるため、内容が全米に共通している訳ではありません。
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