中医学(中国の医学)における薬膳の基本的な考え方において、
体は「気・血・水 (き・けつ・すい)」の3要素で構成されているそうです。
これらは、動物(もちろん人間も含め)が活動する上で、とても大切なエネルギー。
この3つの要素が支え合って働き、バランスを保った状態が「健康」だと考えます。
どれか1つでも不足したり、滞ったりすると体調を崩す原因になります。
バランスを整えるために大切なのは、やっぱり食事!
「気・血・水」を補い、巡らせる事が漲るパワーのナイスバディを作るヒケツです。
「気」「血」「水」それぞれの役割
《 気 》
「元気」という言葉があるように、
「気」とは、生命力・生きる力・エネルギーです。
体を巡り、体温を調節したり、害になる物が体内に侵入するのを防いでくれます。
「気」が、不足したり滞ったりすると、疲れやすくなったり食欲が落ちたりします。
いつでも「気」を満タンにしていきたいですね。
《 血 》
中医学では、血液としての要素だけでなく、その働きも合わせて「血」と考えます。
血液を流して、体の隅々まで栄養を運んでチャージ!
ピカピカ、ツヤツヤな体毛やお肌は、「血」の養生が大切です。
《 水 》
血液以外のあらゆる体液を指します。
体中に潤いを与え、内臓や関節にも入りその動きを滑らかにします。
水が足りないと口が渇いたり乾燥するだけでなく、胃の液体も不足してしまい、便秘などの原因になることも。
滞ったり、一部に集中して溜まってしまうと浮腫み、鼻の詰まり、下痢になります。
水はしっかり摂るけど、しっかり出す!が大切です。
「気・血・水」3要素の働きをお話しさせて頂きました。
難しく考える必要はありません。
「美味しく食べて、巡らせて、出す!」
季節の食材を取り入れて、シンプルに楽しみながら養生ができるのです。
そして、今回紹介するレシピは、「気・血・水」の考え方をもとにした秋の養生ご飯です。
** ワンコ薬膳レシピ紹介 **
《 「気・血・水」を巡らせる 秋の潤いご飯 》
〈 材料 〉
・鯖(秋刀魚などの青魚でも) 40g
(今回は塩分不使用の鯖缶を使いました)
・蓮根 15g
・さつまいも 15g
・大根 10g
・山芋 10g
・プチトマト 2つ
・ごはん 20g
※グラム数は、我が家の愛犬小珠(体重4.4kg)を基準にしています。
(ワンコの手作りご飯1食の量は、そのワンコの頭の大きさを目安に年齢や体調によって調整をしてください)
〈 手順 1 〉
蓮根・さつまいも・大根・山芋は、ワンコのお口のサイズに合わせて切っておく。
プチトマトの皮は消化しづらいので、湯むきしてあげると良いです。
今回鯖は、鯖缶を使用したので骨もそのままつかいます。
※切り身の場合、骨を取り除く。
(先に火を通しておくと骨を取りやすいです)
〈 手順 2 〉
お鍋に、蓮根・さつまいも・大根と具材にひたひたにかぶるくらいのお水を入れて火にかけます。
〈 手順 3 〉
〈手順2〉の具材に火が通ったら、プチトマト・山芋・ごはんを加えて、更に加熱します。
生の鯖を使う場合は、ここで鯖も加えて煮ます。
〈 手順 4 〉
全ての具材に火が通ったら火を止め、冷まします。
〈 手順 5 〉
鯖缶や火を通してある魚を使う場合は、最後に一緒に盛り付けできあがり。
薬膳豆知識
「鯖」は
「活血(かっけつ)」といい、血を巡らせ、体を温め、胃を働かせ、気を補ってくれます。
肺やお肌を潤わせてくれる、食べる美容液です。
トマトと組み合わせると、効果が更にパワーアップ!
人間にももちろん効果があり、月経痛や頭痛の改善に効果的です。
「蓮根」は
血の滞りを改善!
吐き気や胃もたれ、お肌のハリを改善してくれます。
熟した蓮根は傷口の治りを早くするのに一役かってくれますので、傷のある時や手術後、すりおろして火を通したものをご飯に入れてあげるのも良いと思います。
「さつまいも」は
胃を元気にして「気」を養う働きがあります。
やる気出ないとき、元気欲しいとき、ちょっとストレスたまったときなど、気持ちから来る体調不良に、サツマイモ大作戦で元気を補給!
「山芋」は
さまざまな臓器の「気・血・水」を補ってくれるので、養生にとても良い食材です。
肺や気管が乾燥で弱りやすい秋冬に、とってもオススメ!
老化防止にも良いです。
ステロイドを使ってるコは、お薬で消費した「腎」という生命力の源の「気」を補ってくれるので、特にオススメです。
「大根」は
体を冷やしますが、「気」の巡りを順調にしてくれます。
咳・痰・げっぷ・吐き気・消化不良にも効果があります。
秋が深まり、空気も乾いてきました。
そろそろご飯で乾燥と冷え対策をしてあげると、寒く乾燥する冬に体調を崩しにくくなります。
「気・血・水」をしっかり巡らせて体を温め、冬に備えてあげて下さい。
「おいしく食べてー、うるうる!」