ペットといえば、ほどんどの方が「犬」か「猫」を思い浮かべるでしょう。
最近のアンケートで、猫の飼育頭数が犬を上回ったことが、話題になりました。
そんな猫の魅力、いったい私たちは猫の何に魅せられるのでしょうか?
「犬は人に付く」「猫は家に付く」の本当の意味
この言葉を間違って解釈していませんか?
「犬は人になつくが、猫は人にはなつかず棲み処のほうを大切にする」と考えしがちですが、それは誤解です。
「犬は、環境が変化しても信頼できる飼い主と一緒ならばそれを受け入れられる」
「猫は、たとえ飼い主がいたとしても、環境の変化が大きなストレスとなり受け入れにくい」
それぞれの環境適応の違いを現した言葉で「猫も人に付く」のです。
よく犬が飼い主の帰りを玄関で待っているという話を聞いたり、実際にそんな経験がある方も多いと思います。
犬と猫と一緒に暮らす我が家で、出迎えてくれるのは「猫」だけです。
特に、深夜に帰宅したとき、犬は高いびきで寝ており起きる気配もないのですが、猫は真っ暗な中でもいつもどおり玄関で出迎えてくれます。
ここまで極端なのは、我が家だけかもしれませんが・・・
予測不能!面白過ぎる猫の動き
猫は、意図的な交配を重ね、性質や特徴を作り上げられてきた犬よりも野生に近い部分を残している反面、非常に人間に近い部分もある不思議な動物です。
猫は、基本的に自立していて、マイペースに生活しています。
犬は、飼い主の空気を察して、バタバタと忙しいときにはあまり近づかないことが多いのに対し、なぜか忙しいときほど甘えてくる猫。
我が家の猫も朝の時間がないときに限って、抱っこをせがんで飛びついてきますし、この原稿を書いているときも目を放した隙にパソコンの上に乗り、猫語で原稿を書いてくれています。
構おうとすると拒否されて、手が離せないときに擦り寄ってくるのは、猫を飼った方なら誰もが経験されているのではないでしょうか。
*枕元におかれる虫や靴下のプレゼント
*人の手のように器用に使う前脚
*突然カーテンレールや冷蔵庫の上から投げかけてくる視線
*捨てようとしていたダンボールほど気に入ってしまう謎
猫は、分かるようで分からない、通じないようで通じる不思議な動物です。
このいつまでも謎な部分こそ、猫究極の魅力なのだと日々感じています。
犬とくらべ、簡単に飼えるイメージがある
とりあえず猫が安心できそうなところにトイレと寝床を用意して、ご飯と水と爪とぎがあれば、なにも教えなくとも勝手に共同生活を始めてくれる猫。
この気軽さが、猫の飼育頭数を増やしている大きな要因ではないでしょうか?
犬を飼った方のほとんどが直面するのが、「トイレトレーニング」「散歩のしつけ」です。
これらが全くといっていいほどいらないのですから、犬のしつけで苦労した私などは拍子抜けしてしまいます。
猫を飼い始めたり、飼育頭数を増やすハードルが低いことが、多頭飼育崩壊にもつながるので、長所でもあり短所でもあるのですが・・・
安易な気持ちで飼いはじめても、病気になったときの医療費や高齢になったときケアにかかる手間は、容易いことではありません。
猫は、犬以上に我慢強く、病気や怪我の早期発見が難しい動物です。
また、たんぱく質を多く含む食性と、水をあまり飲まない体質から、かなりの確立で腎不全を発症します。
犬と同じように、猫も決して簡単気軽に変える動物ではないのです。
「犬は人に付く」「猫は家に付く」の言葉を曲げて解釈し、引越しのときに飼い猫を置き去りにするという、耳を疑うような理由で野良猫が増え続けています。
未だに、住宅地の野良猫をみて「猫は野生でも十分生きていける」と勝手な錯覚をもち、腹が立つほどあっけなく飼い猫を放棄する人間が後を絶ちません。
現代の人間がつくりあげた人間主導の社会の中では、猫も犬と同様、人がいなくては生きていけない動物なのです。
猫を飼い始める前に、一生面倒を見れるかを考え、家族になったからにはできるだけのお世話をする覚悟をもって、ぜひ魅力にあふれた猫との暮らしを楽しんでください。