日本でも、世界でも、もっともポピュラーなペットといえば、「犬」ですね。これまでご自身で飼ったことがなくても、ご家族やご親戚、お友達など、いずれかのご家庭には犬がいて、触れ合った機会もそれなりにあるかもしれません。「犬の飼い方なんて、習うほどではないよ」、なんて言わずに、おさらいもかねて、考えてみましょう。もちろん、はじめての方にもわかりやすくご説明します。
犬を飼うにあたっての手順は、以下のものが考えられます。
- 犬を飼える環境・状況であるかを、多方面から確認
- 犬という動物について勉強する
- 希望する犬を具体的にする
- 適した犬種を選ぶ
- どこから犬を迎えるかを決める
- 必要なものを用意する
- 犬を迎えるための部屋づくり
- 犬を迎える
- しつけを開始する
- 犬を飼うにあたってしなくてはいけない義務
飼い主となるご家庭が、犬を受け入れるのにふさわしい環境かどうか。そして、犬という動物への知識をもとに、具体的にどんな犬が適しているのかを考えます。犬を入手するルートも、ショップ、ブリーダー、保護施設などがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。
犬の受け入れにあたって必要となるもの。部屋づくり。犬のしつけの仕方、飼い主が行うべき義務についてもお話する予定です。
もりだくさんの連載となりますが、今回は、1番の「犬を飼える環境・状況であるかを、多方面から確認」についてお話します。
1.犬を飼える環境・状況かを、多方面から確認しましょう
犬を迎えてはじめて、
- 「犬を飼うスペースがない」
- 「ペット飼育不可マンションだった」
- 「お隣さんが、犬が大嫌いでトラブルになった」
- 「飼ったはいいが犬を一匹にしてしまう時間が多くてかわいそう」
- 「思った以上にお金がかかる」
- 「お母さん一人で世話をして誰も協力してくれない」
- 「歩いて行ける場所に犬を遊ばせる公園がない」
- 「転勤が決まったが転勤先がペット不可」
- 「わが家の犬も、今年、人間でいうと御年70歳を迎えます」
・・・などなど、飼ってみて「どうしよう、こんなはずじゃなかった!」ということが、結構あります。
飼い始めてから後悔したり、飼育を投げ出したりしないために、まずは無理なく犬を飼える状況にあるかを冷静に判断しましょう。
環境省作成の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン」(平成22年2月)には、これから犬や猫をかいはじめる飼い主が考えるポイントとして、以下の点をあげています。
- あなたの住まいは犬や猫を飼える住居ですか?転居や転勤の予定はありませんか?
- あなたの飼いたい犬や猫はあなたのライフスタイルに合っていますか?
- あなたの家族は全員犬や猫を飼うことに賛成していますか?
- 動物に対するアレルギーを持っている人は家族にいませんか?
- 毎日欠かさず世話に時間と手間がかけられますか?
- あなたの体力で世話ができますか?
- 近隣に迷惑をかけないように配慮できますか?
- 犬や猫の一生にかかる費用を考えてみましたか?
- 生涯にわたる計画をたててみましたか?
- 万一、飼えなくなったときのことを考えていますか?
- どこから犬や猫は入手しますか?
犬を飼うにはそれなりの費用がかかることや、万が一飼えなくなったときのことなど、あらかじめ考えておきましょう。家族の誰かに動物アレルギーがあることが判明することも・・。体力的に世話ができなくなることもあります。犬を散歩に連れて行く体力はありますか。散歩は毎日最低30分必要です。朝晩15分ずつ分けてもOKです。
もちろん、愛犬との暮らしは楽しいもの。素敵な生活が待っています。でも、それなりの苦労や泣き笑いもともなっての楽しさです。家族の一員として受け入れる覚悟をもって、迎えてあげてください。