しつけ・ケア

おいしいタイミングでトレーニングを終わろう

おいしいタイミングで
トレーニングを終わろう


桜沢ルミ さん

犬に「おかわり!」と言ってもらえるトレーニングを

 

今まで数回にわたって
「犬のトレーニングをやってみましょう!」「続けましょう!」
とお伝えしてきました。
そのトレーニングで重要なのは、始めるときより、終るとき。

トレーニングを覚え始めたときや、競技会など目標に向かってトレーニングをするときは、ついつい熱が入って気がつくと1時間近くトレーニングをしていた・・・なんて事があります。
私もよくやってしまうのですが、出来ないところがあると、出来るようになるまで愛犬をトレーニングに付き合わせてしまったり、悩みながら愛犬と動いてしまうことがあります。
すると、最初は楽しそうについてきてくれた愛犬に、匂い嗅ぎや吠え、ピタッと動かなくなったり、どこかへ行ったりという『もうやめようよ~』のサインを出させてしまうのです。
これでは、せっかくのトレーニングもお互いにいいイメージが残らず、ただ長い時間トレーニングをこなした事実だけが残る。
とても勿体ない愛犬との時間の過ごし方になってしまいます。そればかりか、トレーニングに対して愛犬にネガティブなイメージを残してしまうこともあります。

犬は、驚くほど「楽しみ」や「恐怖」といった感情と「そのときの行動」をしっかりと紐付けて憶えています。
ネガティブなイメージのトレーニングが続くと、トレーニングそのものに対するモチベーションが下がることになりかねません。
逆の言い方をすると、楽しいイメージでトレーニングを終われば、次のトレーニングに良い状態でつながっていくでしょう。

トレーニングの終わらせ方には、
* 人がここまでと決めて終わらせる。
* 犬が満足した状態で終わりにする。
* 時間やおやつがなくなったら終わり。
など、色々な考え方やケースがあります。
どれも間違いではなく、状況によっては選択枝が限られる場合もあると思います。
ただ、どのようなケースであっても、
犬も人も『やった~できた!』と同じ気持ちで終ることが重要です。
できれば、そのときやっているトレーニングの一番良い状態のところでしっかりと褒めて、そこでお互いにいい気分で終わりにできれば最高です。

犬がしっかり集中してトレーニングしてくれていると、ついついもっと続けようという欲が出てきてしまうのが人間です。
私も、『こんなに集中しているのに、ここで止めたらもったいない』などと考えてしまいがちです。
でも、疲れて集中も切れかけたところで『あ~、終ってよかった』と、犬に思わせてしまうよりも『え~、もう終わっちゃうの?もっとやろうよ!』と、意欲を持ったまま終わったほうが、次への期待が高まり、結果として高い集中力の持続につながっていきます。

満腹感よりも腹八分目、もっとおかわりしたい!
犬にそう思えるトレーニングこそ、お互いにとって一番おいしいトレーニング。
私も愛犬と、いつもそうありたいものです。

 

2017年11月3日掲載

 

成犬になってからのトレーニング
うちの犬はもうだめだとあきらめるその前に

桜沢ルミ

桜沢ルミ

投稿者の記事一覧

(さくらさわ るみ)

子供の頃からの夢である犬との暮らしを始めたものの、ビーグルのやんちゃぶりに生活の危機を感じ、近所のしつけ教室に駆け込む。
以来ドッグトレーニングの素晴らしさに目覚め、愛犬と共にオビディエンス・アジリティ・優良過程犬テスト・k9ゲーム・ドッグダンス・ノーズワークと多様な競技にチャレンジを続けている。
また愛犬の体調管理のため、ドッグスクールアウラにて手作り食、犬護舎にてセルフケアマッサージを習得し毎日の健康管理に努めると共に、Song of Earthにてアニマルコミュニケーション講座を受講。
アニマルコミュニケーター・ヒーラーとしての独立を目指し日々勉強中。

アニマルコミュニケーション&ヒーリング「Soleil」
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