ペットの雑学
第1回 犬・猫にチョコレートがNGな理由
犬にチョコレートを与えてはいけないというのは、よく知られている話です。
チョコレートを犬に与えてはいけない理由は、カカオに含まれる「テオブロミン」という成分により中毒症状を起こす可能性があるからです。
「テオブロミン」は、チョコレート菓子やココア、チョコレートシロップなどにも含まれているので注意が必要です。
「テオブロミン」は、チョコレート・カカオ豆・カカオ豆の外皮・コーラ・茶に存在している物質で、特にチョコレートやカカオ豆の含有率が高い成分です。
簡単に言うと、「テオブロミン」は、カフェインと親戚関係にある物質です。
カフェインはコーヒーなどで有名な成分で、皆さんが知っている通り、弱い興奮作用や利尿作用があります。強さに違いがありますが「テオブロミン」にも似たような作用があります。
そして、犬は人間や他の動物に比べて摂取したテオブロミンを肝臓で代謝(解毒分解)する能力が非常に低く、摂取したテオブロミンを分解排泄する能力は17.5時間で50%(半減期)と言われています。逆に言うと、摂取してから約24時間が非常に危険な時間帯でもあるということです。
「テオブロミン」は、心臓や中枢神経に働きかける作用があります。
下痢や嘔吐のほか、発熱・興奮・不整脈・バンディング(息が荒い状態)・運動失調(フラフラする)、痙攣や発作などの神経症状を起こし、昏睡状態に陥ることも。最悪の場合、突然死に至ることもあります。
チョコレートの種類により、カカオ含有量の違いがあり、「テオブロミン」の量も違います。
【100gあたりに含まれるテオブロミン量】
ミルクチョコレート…155mg
セミスウィート・ダークチョコレート…460~650mg
ココアパウダー…500~2120mg
犬の体重10kgあたり、テオブロミン500mg〜1000mgを摂取すると中毒症状を起こし、2500mg〜5000mgを摂取した場合は、50%の確率で死亡してしまうというデータがあります。
したがって、10kgの犬がセミスウィートチョコレートを約100g以上摂取した場合、中毒症状をあらわす可能性があります。
また、ミルクチョコレートはミルクや砂糖を含んでいるために、セミスウィートチョコレートに比べてテオブロミン含有量はやや少な目になっています。
ビターなチョコレートは、少量食べただけで危険なため、より注意が必要であると覚えておきましょう。
チョコレートを食べてしまったときは、救急を要しますので、すぐにかかりつけの動物病院に連絡をし、催吐処置(吐かせること)をしてもらって下さい。
解毒剤はありませんし、犬のテオブロミンの代謝機能は良くありませんので、治療法はとにかく、すみやかに吐かせることです。摂取してから時間が経過してしまうと、胃洗浄が必要となったり、最悪の場合、命の危険を伴ってきます。
テオブロミンが危険なのは猫も同じです。
犬にチョコを与えてはいけないとわかっていても、知らない間に口に入れてしまっていた!などということもあります。
保管方法に十分気をつけましょう。
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GORON 吉川奈美紀
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