それでは、馬はどのように学習するのでしょうか?
1. 馬は論理を使って学習できる?
馬の脳は人間の脳とは大きく異なります。
まず、馬の脳は体の大きさに比べて人間よりはるかに小さいです。
また、馬の脳の構造は人間と異なります。
論理、抽象的思考、推論などの機能に使用される脳の部分である大脳新皮質は、馬よりも人間のほうがはるかに発達していて大きいです。これは、捕食者の脳が獲物の動きを追跡し予測するための戦略を考案する必要があるためです。
一方、馬の脳は生存、つまり逃走に必要な移動能力と感受性が強く備わっています。
馬にとって、問題解決能力や論理的思考能力は必須のスキルではありません。
そのため、馬は経験と連想学習、あるいは試行錯誤を通じて学習します。
馬には事前に計画を立てる能力がないので、仕事から逃れるために仮病で破行のふりをする事はできません。
2. 馬にどうやって教える?
馬は記憶力が良く、良い感覚と悪い感覚をすぐに学習します。
支配的態度や攻撃的な態度で馬を訓練することはできますが、これでは学習の範囲が制限され、馬からの信頼もほとんど育まれません。
服従する馬もいれば、逃げようとしたり反撃しようとする馬もいます。
結果がどうであれ、馬がリラックスして快適に仕事に取り組めることは決してありません。
対照的に、肯定的な強化と賞賛を通じて馬に教えると、馬は力を使わずに同じ動作を何度も繰り返して喜んで行うようになります。
3. 馬はどのようにして扶助を理解することを学ぶ?
馬は圧力を取り除くことで扶助を学びます。プレッシャー&リリースですね。
たとえば、馬はライダーの右脚から脇腹に圧力(プレッシャー)を感じます。
馬がその圧力の「不快感」から離れて左に移動すると同時に、圧力は取り除かれる(リリース)ので、馬は最終的にその特定の扶助が何を意味するのかを学びます。
4. 馬はすぐに学習する?
正しく思いやりを持って教えれば、馬は驚くほど早く学習することができます。
また、馬は一度教訓を学んだら、それを一生覚えている可能性が高いと言えます。
しかし、同じように間違った扶助やそれから逃れる方法もあっという間に覚えてしまいます。
馬は間違った扶助をライダーの要求だと感じてそれに応えているだけなので、その反応に対してライダーが叱責などした場合は馬は混乱します。
最悪の場合、恐怖を感じ、逃走反応や闘争反応(反抗)に繋がります。
そのため、ライダーが正しく乗り正しい扶助を出すという事はとっても大切です!
5. 馬の集中力はどのくらい持続する?
馬は、集中力が持続する時間が限られているという点では、ある意味子供に似ています。
個体差がかなりありますが、一般的には15分から20分程度と言われています。
・馬が反応しない時
馬が扶助や指示に反応しない、または間違った反応をする理由はたくさんあります。
通常それは馬が理解していないか、精神的、肉体的に準備ができていなかったためです。
扶助が適切なタイミングで適切な場所に適用され、馬がそれを受け入れる準備ができていることを確認し、馬が理解できるように必要な調整を行います。必要であれば、一つ前のトレーニングに戻ることもあります。
・馬に反応しないように教える!
馬は継続的に学習しているので、馬にとってすべてが学習経験となります。
「馬に教えるか、教えないのかのどちらかだ」という格言がありますが、ライダーが扶助に対して反応しなように逆のことを教えてしまっていることがあります。
馬を前に出したくて絶えず馬を蹴り続けるライダーは、馬の反応がないため気にせず蹴り続けます。
蹴り続けられた馬は注意を払い反応する必要がないことを学習し、最終的には脚に無関心になってしまいます。
小さな反応に対して扶助が連続して続いた場合、馬は扶助に正しく反応したはずなのに
なぜリリースがないのか理解することができなくなってしまいます。
馬の性格によって馬は無関心になるか、拍車に抵抗を示すかのどちらかになります。
馬が望むように反応したら、馬にご褒美を与え、扶助を取り除いて馬を混乱させないようにしましょう。
実際、馬はライダーの扶助に反応するとすぐに圧力が取り除かれることを学びます。
基本的に、馬をトレーニングする際には、ムチではなくアメのアプローチを使用します!
圧力が取り除かれることは馬にとってのご褒美(リリース)であり、馬はわずかな扶助にも反応することを学びます。
いかがでしたか?馬が理解できる方法で馬とコミュニケーションをとることが人間の仕事です!
馬は人間ではありません。論理的に考える事ができる人間が馬に合わせていきましょうね。