乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は「馬と人が仲良くなるにはどうしたらいいか?」
おそらく昔から長い間、考え続けられてきた事でもあり、最近ではホースウェルフェアの観点からも馬と人との関係の築き方は大きな世界的にも転換期を迎えているのではないでしょうか。
馬と人の関係は自然なものだと感じます。人と人でも不確かな物ではありますが、馬にもそれぞれ個性があり、決して人間に懐かない馬もいます。最高の絆は、自信に満ちたリーダーシップや共に過ごす時間など、前向きな交流から生まれます。
馬は「ポジティブな感情に応える」
馬が実際に人を好むかどうかは馬の行動を見るとわかることがあります。
馬は、人の仲間(と認識している人)に対して、鼻をすり寄せたり、なめたり、追いかけたりするなどの肯定的な反応を示します。
馬は「ポジティブ、ネガティブどちらの連想も記憶する」
馬の記憶力に影響を与える要因は主に、知覚(記憶の主題とそれが馬にどのような影響を与えるか)、重要性、繰り返しの3つと言われています。
馬はとても記憶力が良いので、一度でも嫌な思いや怖い思いをさせてしまうと、克服に時間がかかることがあります。
馬が人間を嫌う要因
馬には感情と記憶があり、信頼を育みます。
馬が人を嫌う原因にはいくつかの要因があり、これが他の人との関係にも影響する可能性があります。
これらの要因は時間とともに解消できますが、マイナスの関係は生涯続く可能性があります。
・信頼の欠如
獲物である動物として、馬は恐怖の動物から逃げており、特に略奪的な行動に対しては自然に懐疑的で馬は不信感を深めます。
この不信感は、ある人に特有のものである場合もあれば、すべての人に対してのものである場合もあります。
馬を危険に導くと、馬は人間に対する信頼を失います。さらに、馬は痛みを伴う扶助に対して反応が悪くなります。
・ネガティブなやりとりが多すぎる
人とのネガティブな経験により、馬は人を信用しなくなったり、人を嫌うことさえあります。
また、馬は感受性の高い動物です。人が怒り、恐怖、その他の否定的な感情を表現すると、馬はそれを反映する様に反応します。
馬と遊んだり乗ったりするときは、恐怖、自信のなさ、フラストレーションなど、自分の感情をコントロールする方法を学ぶことが重要です。
・間違ったリーダーシップの選択をする
地上でも、馬上でも馬の限界を認識せず、尊重せずに、恐ろしい状況や危険な状況に馬を導くと、馬は自信を失ってしまいます。
優れたリーダーシップは強い関係を築きます。
強力なリーダーがいないと、馬が人の合図を無視してプレッシャーに不適切に反応し、人を危険にさらす可能性があります。
馬と人の関係では、自分の安全を守り、前向きで生産的な関係を築くために、人はリーダーでなければなりません。 馬との良好な関係を築くためには、馬が望むリーダーになることです。
馬はボディランゲージに非常に敏感で、馬同士の微妙な合図さえも察知します。ですが馬と人の間においては、人が馬のボディランゲージを読み取って適切に反応できるかにかかっています。
馬は人同士でもそうである様に、必ずしも人を「好き」であるとは限りませんが、オーナーと親密な絆を築きし積極的に交流することもできます。
ポジティブであり続ける
馬との良好な関係を確保することは、馬の健康と人の楽しみの両方にとって不可欠です。
馬は社交的な動物であり、人との積極的な交流によって成長します。
前向きな関係は、馬とライダーの間のより良いコミュニケーション、信頼、そしてより深い理解につながります。
馬との前向きな関係の最も重要な要素の 1 つはコミュニケーションです。
馬は主にボディランゲージを通じてコミュニケーションを行いますが、人は馬の信号を読んで解釈する方法を学ばなければなりません。
また、私たちが馬に求めていることを馬が理解できるように、馬に伝える方法も学ばなければなりません。
馬の健康と幸福を維持するには、適切なケアと注意が必要です。
適切な世話をし、馬に愛情を示す人は、前向きで信頼できる関係を築くことができます。
人が馬をどのように扱うかは、人に対する馬の行動に大きな影響を与えます。
馬と人の間に強い絆を築くには、時間、努力、一貫性、そして愛情、言語、リーダーシップが大切です。一筋縄でいく馬と、そうでない馬と馬も人も様々ですが、言葉で伝えられない馬の気持ちを常にアンテナをフル稼働させて汲み取り、対応できる人になりたいですね。