立春を過ぎ、梅の花も満開になり、春の気配が濃くなって来ました。
三寒四温という言葉がありますが、今年はこの「温」が「暑」になるくらい気温の高い日もあり、強烈な陽気が入り体調が不安定なワンコや飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
特に注意が必要なのは、影響を受けやすいシニアや体力がないワンコ、持病のあるワンコです。
今回はこの強烈な春の陽気を少しでも楽に乗り切れるように、春対策のお話をさせて頂きます。
「シニアでも若くても、春のケアは大切だよ」
春、活発になる五臓「肝」
立春から5月くらいまで活発に働く五臓は「肝」です。
中医学で肝は気や血の流れを円滑にして体中に行き渡らせる働きと、血を溜めて血流をコントロールするという働きがあります。
肝の働きが正常であれば気(エネルギー)が順調に巡り、体の隅々まで気・血・水を行き渡らせてくれます。
気の流れがよいと体はもちろん、精神的にも穏やかに過ごせます。
「春に体調を崩しやすい」というワンコや飼い主さんは、この「気の流れ」が滞っていたり、気そのものが不足・枯渇している事が多いです。
「ご飯食べてても、巡らないとエネルギー不足になるんだよ」
春に出やすい不調ってどんなもの?
・春に起こりやすい主な不調
のぼせ・頭痛・痙攣発作・前提疾患・自律神経の不調・足腰が動かしにくい・イライラ・肩こり・目を痒がる・赤くなる・涙やけがひどくなる・くしゃみや咳・爪が割れやすい・お腹が緩くなる
などがあります。
・不調の中医学的原因
春は、冬の間に溜まっていたり隠れていたものが芽を出し、活動的になります。
主に、上半身で症状が出やすい状態です。
これは「暖かい空気は上に行く」という現象が、そのまま体の中でも起きているからです。
五臓がバランスよく働き、「下す・冷ます」役割の「腎」がきちんと働いていれば昇った熱を下ろして巡らせてくれます。
ただ、様々な理由で「腎」がパワー不足になると熱を下せなくなり、不調に繋がりやすくなってしまいます。
・不調の環境的な要因
春は、気圧の変動から強風になりやすい季節でもあります。
春の風は体調に大きな影響を与えると言われ、特に強風の日は心身共に不安定になりやすい傾向にあります。
冬の間にしっかりと「腎」をケアをしたり血を作っておくことで陽気や強風の影響を少なくする事ができます。
「えー!もう春になってきてるのに!早く言ってよ!!!」というお声が聞こえてきそうですが、今からでも遅くはありません。
ぜひ、ワンコも飼い主さんもご一緒に春対策をしていきましょう!
「今からでも大丈夫!!!」
次は、ケア方法と役立つツボマッサージをご紹介します。