健康・病気

猫を冬に寒さから守るには?〈 体調管理と快適な過ごし方 〉

「猫はこたつで丸くなる」

歌に歌われるくらい、猫は寒さに弱いというイメージが定着しています。
今回は、寒い季節に気を付けたいことや冷えで悪化することがある持病について、そして冬を快適する過ごし方などをご紹介します。

では、まず猫は寒さに弱いと感じられる主な理由、生態や生理学的な特徴についてお話していきましょう。

猫はなぜ寒さに弱いの?

・体温調節の違い

猫は本来、温かい気温が適するように、人よりも体温が高い状態です。
そのため、寒冷な環境では体温を適切に維持することが難しくなります。

・被毛の特徴

 猫は、被毛を通じて体温を調節しています。
その被毛は、寒冷な環境に適応しきれていません。
特に、短毛種の猫は、極端な寒冷な環境で寒さの影響を受けやすくなります。

・代謝率の変動

猫は、動物の中でも高い代謝率を持っており、エネルギーの消費が速いです。
このため、寒冷な環境ではエネルギーを消費しやすく、体温を維持するのが難しくなります。

・起床周期の適応

野生の猫は夜行性であり、昼間は比較的安全な場所で休息しています。
昼夜の寒暖差が激しい環境では、昼間の寒冷な時間帯にも外に出ざるを得なくなり、これが寒さへの影響を受けやすくさせます。

これらのことから、猫は寒冷な環境に対して敏感であり、寒さに弱く感じられることがあります。
寒さに対処するためには、適切な保温対策や注意深い体調管理が必要です。

猫にとって、快適な気温は何度?

猫は体温を維持するために、一般的には高めの温度を好む傾向があります。
個々の猫により好みに差がありますが、目安としてご紹介します。

・室内飼い猫が快適と感じる温度

約20〜25℃が一般的には快適とされています。
ただし、猫は寝床や日光のあたる場所で自分の好みに合った温度を見つけることができます。

・外にいる猫の注意

室外飼いの猫や自由に出入りできる猫は、寒冷な気温から身を守る能力があります。
しかし、寒冷地域では風や雨、雪にさらされることで不快に感じる可能性があります。
寒冷な気候には、暖かい場所を用意してください。

猫は個体差があり、好む気温も異なります。
そのため、猫が快適に感じる温度を把握するには、猫の行動や反応を観察することが大切です。
寒い季節には暖房を使ったり、猫が温かさを感じる場所を提供するなど、猫の行動や状態を考慮して快適な環境を作ってあげましょう。

冷えで影響を受けやすい猫の持病

寒冷な環境や冷えが、猫が持病を悪化させる可能性があります。
特に寒冷な状況で注意が必要な猫の持病をご紹介します。

・関節炎

寒冷な気温が関節に影響を与え、関節炎の症状を悪化させる可能性があります。
関節痛や動きづらさが見られる場合、獣医師に相談してください。

・呼吸器疾患

寒冷な環境では、呼吸器疾患(例:気管支炎や慢性鼻炎)の症状が悪化しやすいです。
猫がくしゃみ、鼻水、咳をする場合、獣医師の診察をうけてください。

・心臓疾患

寒冷な状況で心臓疾患を抱える猫は、血行が悪化しやすくなります。
寒冷にさらされることで血行不良が進行し、症状が悪化する可能性があります。

・免疫不全

免疫機能が低下している猫は、寒冷な環境で感染症にかかりやすくなります。
慢性的な免疫不全を抱える猫は、寒冷な状況でさらに健康リスクが高まります。

・老化による問題

年老いた猫は、寒冷な状況に対する適応力が低下することがあります。
関節の動きが制約されたり、低体温になりやすいです。

これらの持病を抱える猫に対しては、特に寒冷な季節には十分な保温をして、定期的な健康チェックを行い、必要に応じて獣医師のアドバイスを仰ぐことが重要です。
冷えによる症状の早期発見と適切な対処が、猫の健康維持に役立てていきましょう。

寒さが原因でおこりやすい猫の体調不良

寒い季節において、猫の体調に注意することが必要です。
寒さが原因で起こりやすい猫の体調不良をご紹介します。

・風邪や上気道感染症

寒冷な環境では、猫も風邪や上気道感染症にかかりやすくなります。
くしゃみ、鼻水、くしゃみ、食欲不振などが見られる場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。

・関節炎や筋肉のこわばり

寒冷な気温が関節や筋肉に影響を与え、関節炎や筋肉のこわばりを引き起こすことがあります。
年老いた猫や関節の問題を抱えている猫は特に注意が必要です。

・低体温

寒冷な環境で適切な保温が行われないと、猫の体温が下がる可能性があります。
低体温は体の代謝を減少させ、免疫力を低下させることがあります。

・尿路感染症

寒い季節に猫が十分に水を摂取しない場合、尿路感染症が発生しやすくなります。
これは尿が凝固しやすくなり、尿路結石ができやすくなるためです。

・乾燥した皮膚と被毛の問題

 冷たい乾燥した空気は、猫の皮膚や被毛に影響を与えることがあります。
皮膚の乾燥や被毛のパサつきが見られた場合は、適切な保湿ケアが必要です。

これらの症状や体調不良が見られた場合は、早めに獣医師に相談し、適切な治療やケアを受けるようにしましょう。

予防策と適切な防寒対策や体調管理方法

では、寒冷な環境で過ごす猫が体調不良を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
寒さが原因で起こしやすい症状の予防策や体調管理方法を知り、その対策をしていきましょう。

・暖かい場所を準備する

猫は、暖かさを好む動物です。
寒い季節には、猫がくつろげる暖房の効いた場所や、暖かいパッドなどを準備しましょう。
また、窓際の陽の光が差し込む場所に敷物やベッドを置いて、暖をとる場所を作ると良いでしょう。

・室内飼いを検討する

寒冷地域では、できるだけ室内で飼育することがおすすめです。
室内飼いは、猫を外部の寒さや危険から守ることができます。

・適切な栄養をとれる食事

寒い季節にはエネルギーが多く必要です。
高品質の食事を与え、猫が温かさを維持するのに十分なエネルギーを得られるように心掛けましょう。

・体重管理に注意する

猫の体重は適切であることが重要です。
適切な体重を維持することで、体温調節がしやすくなります。
運動や遊びを通じて、適度な運動を促すことも重要です。

・ブラッシングと被毛の管理

猫の被毛は自然な保温材です。
定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、被毛の健康をサポートしましょう。

・温かい飲み物を

寒い日には、温かい水を飲ませることが大切です。
猫用の温水ボトルを利用することも考えてみてください。

・定期的な健康チェック

寒い季節になると関節痛や風邪を引きやすくなります。
猫の様子をよく観察し、異常が見られる場合は獣医師に相談しましょう。

これらの注意点を意識して、寒い季節、猫が快適で健康な状態を保つことができるようにしていきましょう!

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

投稿者の記事一覧

(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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