乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
前回に続き馬が出てくる映画、今回は『冒険編』をご紹介します!
1 . すべての美しい馬(2000年アメリカ)
マット・デイモンが演じる主人公ジョンが、生まれ育ったテキサスの牧場を離れリアルカウボーイになるために、メキシコに渡るところから物語が始まります。
冒険ものにカテゴリーしましたが、このお話はジョンの「おとなへの旅」の物語。
題名からすると美しい馬たちとの絆ものかな?と思うのですが、この映画に出てくる馬たちは決して出しゃばらず、物語の背景として佇むだけ。
カウボーイにとっての馬は、愛すべき動物や家畜、もちろんペットでもない。
生きるために欠く事のできない重要な「道具」なのかもしれない。
だからこそ彼らは馬を人間よりも丁重に扱い精魂込めて手入れをする、そんな静かな描写が全編に見られて、馬と生きる異世界の彼らにぐっと引き込まれていきます。
職業馬乗りの私にしてみたら、馬と生きる彼らと馬たちのスタンスが尊く感じて、、、
物凄い感動で号泣!とかスカッとした!とか笑えた!とかそういう映画ではないのですが、でも定期的に見直したくなる、大好きな映画です。
登場する馬たちはクォーターホース。
メキシコで荒馬馴らしをする時に出てくるのはメキシコの土着馬だそう。このシーンは圧巻です。
2 . オーシャン・オブ・ファイヤー(2004年アメリカ)
実在した伝説の騎手フランク・ホプキンスとマスタングの愛馬ヒダルゴを主人公にした物語。
19世紀末、アラビア砂漠4800キロを走破する想像を絶するサバイバルレース、1000年以上の歴史を誇り、代々由緒正しき血統のアラブ馬が制する命懸けの伝統の競技。
王の血族とアラブ馬だけが出場できるこのレースにアメリカからホプキンスと野生馬のヒダルゴが誇りを懸けて決死の闘いを挑む…!
これこそ、灼熱砂漠人馬一体アドベンチャー。
レースを通じて様々な妨害を受けるホプキンスとヒダルゴが友情とプライドで立ち向かいゴールに向かっていきます。
単なるレースムービーではなく、自然、差別、自分の出自、プライド、友情、どんな人間も馬も、己にプライドを持って自然と共に生きる、大きなメッセージ性を抱えている作品。
ヒダルゴがまた魅力的なんです。斑毛の馬ですが、私が当時一緒に働いていた馬と似ている事もあって、とにかく応援したくなりました。
撮影中は5頭のヒダルゴが用意されたそうですが、主演のヴィゴ・モーテンセンは撮影中ずっと一緒に過ごして本当の相棒のようになったそう。それが画面を通してわかる位ヒダルゴが表情豊かでかわいい。撮影後、ヴィゴはヒダルゴ役の馬を買い取ったそうです。
ラストシーンが、また良き!!!絶対おすすめです!
3. スピリット(2002年アメリカ)
この映画は、アニメです!主人公は馬。でもセリフは言いません。
マット・デイモンのナレーションでスピリットという馬の心の声が語られます。
主人公は、西部開拓時代より前のシマロンという地で野生馬の群れに生まれた純血マスタングのスピリット。
人間と遭遇して捉えられるが、人間たちの調教に決して屈しようとしないスピリットは罰として水も食べ物も与えられない日々を送る。
そこに先住民であるラコタ族のリトル・クラークが連行されてきて、それまでの人間とは違うクラークと少しずつ心を通わせるようになる。
シンプルなストーリーながら、美しく壮大な情景描写やサントラもとっても良く、心に残る映画です。
アメリがで絶滅に向かう野生馬への思いが掻き立てられる。
この映画も人と馬が生きること、馬の幸せとはと、考えずにはいられなくなる…。
子供にもわかりやすくて、大人は静かな感動に包まれる、そんな作品です。
以上冒険編おすすめ3作でした!
この3作は、沢山ある馬映画の中でも、私個人的にベスト3と言っても過言ではない作品たちです♪
この巣篭もりお家時間にぜひ♪