健康・病気

犬の白内障とその対応策を考える ~後編〜 精密検査とその後の治療について

ここまでの検査で、水晶体の状態や目の大まかな様子が分かりました。
そして、今後の治療について検討するために、精密検査を受けることにしました。

白内障に関する精密検査の内容

今回白内障について受けた精密検査の内容は、
・超音波(エコー)検査
・網膜電位検査(
ERG
でした。
どちらも痛いことはしませんので安心してくださいねと言われました。

検査当日、朝食やおやつ抜きのほか、首に負担がかかり眼内圧が上昇することがあるので首輪は避け、ハーネス(胴輪)にしておくほうがよいというアドバイスがありました。

超音波(エコー)検査

網膜剥離の有無、硝子体・水晶体の状態を超音波(エコー)を用いて確認します。
後方脱臼している左目は計測できませんでしたが、右目については水晶体の厚さは正常値内でした。

網膜電位検査(ERG

目に光刺激を与えた際に、網膜で生じる電気反応を記録し、網膜の働きを数値的に計測する検査です。

病院に預けての検査となり、2つの検査で半日ほどかかりました。

精密検査の結果と今後の対応策について

結果として、網膜や視神経など目の機能上で問題になることはありませんでした。

水晶体の手術に関しては、
・亜脱臼している右目 → 手術可能
・後方脱臼している左目 → 水晶体が目の表面にないことから難しい
ということでした。

ただ、後方脱臼している左目に関しては、濁ったレンズが落ちて下半分にある状態のため、邪魔な白いスクリーンがないのでかえって視界が確保され「見えて」いる状態にあるということでした。
また、亜脱臼し中央方向にずれている右目に関しても、先生の言葉をお借りすると「ずれた隙間から「のぞき見」できているような状態にある」。
もちろん見えにくさはあるものの、周りをきちんと把握できているというお話でした。

先生から手術は可能ではあるが、15歳という年齢を考えると麻酔やその他のリスクも検討課題としたほうがよいというお話もありました。
今の状態で生活がうまくいっているのであれば、手術による変化が返ってダメージになることもありうるという判断をし、手術はせず経過観察をしていくことにしました。

今後の経過観察と治療以外に飼い主ができること

水晶体が脱臼しているということは、今の位置からさらに水晶体が動く可能性があります。
糸が緩んで亜脱臼(ずれて)している方の目も、今後糸が切れる可能性があるわけです。
これからを考えた時、最も注意が必要なことは、前方脱臼してしまうことです。
水晶体が前方に落ちると、痛みを伴い緊急手術の必要があります。
しかし、それは「そうなるかも」という可能性であって、もしかしたらこのままの状態で過ごせるかもしれません。

そうしたことを考え、今後の経過観察は、以下のことを行うことになりました。

  1. 目の状態に注意を配る。
    充血や目がしょぼしょぼしている、目を閉じたままになっているなどの変化がないか日々観察。
  2. 点眼薬(ジクロフェナク)は継続する。
  3. 定期通院し眼圧や目の状態をチェック。
  4. 網膜によいサプリの摂取(これは必須ではありません)

【このほかに、飼い主が家の中できること】
  5. 家具の位置を大きく変えない。
        せっかく覚えている家の中が配置が変わりぶつかる原因になります。
  6. 家の中では明るさを確保し、見えにくくなる夜間の散歩はしないようにする。

白内障は、老化以外の理由でも進行します。
また、ステージが進むと合併症を引き起こすリスクもあります。
「老犬だから目が白くなってきても仕方ないね」と済まさずに、目が充血していないか?目が見えにくくなってきていないか?など日々の暮らしの中で観察し、気づいてあげるようにしたいものです。
犬は、人ほど目からの情報に頼っていないという説もありますが、愛犬の寿命まで、できるだけ目の機能を残せるようサポートしていきましょう。

 

犬の白内障とその対応策を考える ~前編〜 目の充血から始まった通院

戸倉雅子

戸倉雅子

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(とくら まさこ)

ハワイアンリボンレイ
アロハ協会公認インストラクター

ハワイ専門の旅行の仕事に携わりながら、その傍らでハワイアンリボンレイ教室を主宰。
犬好きの人のための一緒に楽しめる自宅教室のほか、都内及び近郊4カ所でレッスン開催。
愛犬3頭と暮らしている。

【Instagram】 alohagarden_ribbonlei

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