人間と同じように犬も年を取ると様々な病気が出てきます。
今年15歳になった我が家のミニチュアプードルの『白内障』について、精密検査やその後の治療方法の選択をまとめました。
白内障とは?
白内障とは、目の中のレンズの役割をしている“水晶体”の一部や全体が白く濁った状態を言います。
犬の白内障は、
・加齢によるもの
・遺伝によるもの
2つに大別され、その他に
・外傷や薬剤、糖尿病などの全身疾患に併発して起こる
こともあります。
現時点で、どのようにして水晶体のタンパク質が変性して濁るのか?詳細はわかっていません。
犬種によって好発するとも言われており、トイプードルは好発犬種となっていました。
若いころは、黒目がはっきりしています。
年齢と共に、水晶体部分が白くなってきて(白内障)視覚を喪失します。
一度白くなった水晶体は、もとに戻らず、完全な予防方法がありません。
犬の白内障治療法
白内障の治療方法には、内科治療と外科治療の2つがあります。
【 内科治療 】
点眼や薬の服用です。
白内障の進行を遅らせることを目的に行います。
完全な予防策がないため、いかに進行を遅らせるかがポイントとなります。
そして、一度失われた視力を取り戻すことはできません。
【 外科治療 】
水晶体を取りのぞき、人工の眼内レンズを目に入れることで再び目が見えるようになります。
ただし、網膜や視神経に異常がある場合は、水晶体の濁りを取り除いても視力が回復することは期待できません。
そのため、手術を検討する場合は、網膜や視神経に異常がないか確認するために精密検査を行う必要があります。
そして、精密検査や手術は、特殊な機械や装置を必要とするため、目の専門の病院で行われます。
目の充血から始まった病気の発見
白内障の症状が出ていることはわかっていましたが、左目が充血していることに気づいたのが病院に行くきっかけとなりました。
白内障が進行すると、水晶体に溜まったたんぱく質が流れ出し充血を引き起こすのだそうです。
最初の検査内容は、以下の通りです。
☆眼圧検査
まず、炎症の度合いを測れる眼圧検査を行いました。
結果、数値は正常値の範囲内でした。
☆スリットランプ検査
光を当てて目の表面・中・奥の状態を拡大して検査します。
検査の結果、
左目は毛様小帯という水晶体を支える役割をする細い糸状の組織が切れてしまっており、水晶体が「後方脱臼(後ろ側に落ちてしまっている)」していることが分かりました。
さらに、問題ないと思っていた右目も毛様小帯が緩んでしまったことにより、水晶体が目の中央方向にずれている「亜脱臼」の状態となっていることもわかりました。
写真(または図)の向かって右が左目、白いレンズが下半分にあることが分かります。
これが後方脱臼。
反対側が右目で、左に隙間があり目の中央方向に白いレンズが寄っているのが分かります。
【 目の図解 】
【病院で撮影の写真】
水晶体の状態が分かったので、外科的な手術をするのか、またするとなった場合に網膜や視神経の異常がないか、後日精密検査を行うことにしました。
精密検査までの間、「ジクロフェナク点眼薬」で炎症を抑えるよう指示がありました。
次回(後編)は、精密検査とその後の治療についてのお話です。