アニマルライツ

犬や猫の出産と帝王切開を考える 「帝王切開の問題点と今後の法規制」

西山ゆう子さんの情報サイトより(2020年10月26日)
https://yukonishiyama.com/cesarean-age-safety/

帝王切開の場合、その他の問題点

これまでお話したこと以外に、帝王切開時に懸念される問題点として、以下があります。
・母体が抗生物質を服用することで、授乳を通して新生児に移行すること。
・母体が鎮痛薬を服用することで、授乳を通して新生児に移行すること。
経験的に、これらは直接の大きなリスクにはなっていないことが分かっています。
しかし、生後間もない新生児が、微量なりとも、母親から抗生物質を服用することで、正常な腸内フローラの形成に悪影響が出るのでは、と昔から問題視されています。
近年多い、アレルギーや腸免疫の問題に関しても、因果関係が懸念されていますが、はっきりと分かっていません。
また、鎮痛薬として一般的な、非ステロイド性抗炎症薬は、術後の痛みにコントロールに優れていますが、微量の薬物が授乳により、新生児に移行します。
肝臓、腎臓が未発達な新生児に、ある程度の悪影響があるのではと懸念されます。
かといって、母犬に鎮痛薬を用いないと、術後の回復に時間がかかり、苦痛と体力消耗を助長するので、使用が奨励されています。

今後の数値化

では、今後どうやって数値化を具体的にして悪徳ブリーダーをなくすべきなのか?
答えは、簡単ではありません。
今回これらの数値化を進めているのは、法律です。
法律は、それに違反すると、勧告・罰金・実刑を課します。
ということは、法律は、「最低基準を明確にする」という意義が大きいと思っています。
最低でも、ここまでは守りましょう。と。
これ以下は、いけません、これ以下だと違法です、という基準を決めることです。
それゆえ、規制全体としては、あまり厳しくすることができません。
あまり高い基準を法で作ってしまうと、逆に現実性がなくなり、闇での繁殖、裏の繁殖を助長しないかと懸念します。
できれば、アメリカのアニマル・コントロール・オフィサーのように、実際に現場に足を入れ、施設内の一匹一匹の状態を見たうえで、問題なのか大丈夫なのかを判定するべきだと思います。
例え初回の出産でも、母犬がガリガリに痩せている、毛玉やノミだらけ、下痢を治療していない、といった状態が判明すれば、それだけで勧告できます。
そして、ひどい状態で飼育している現行犯の場合は、一時的に動物を保護し、飼い主(あるいは事業主)から離し、センターなどの公的施設で一時保護、手当ができるようにならなくてはなりません。
これは、繁殖業者だけではなく、動物が複数いる施設全部で実行されるべきです。
動物愛護団体・猫カフェ・ブリーダー・ドッグトレーナー、・ホテル・動物病院、すべての施設に、数値規制が適応され、さらに行政による定期的な立ち入り調査がされるべきです。
そして、あまりにも不適当な飼育や環境状態の施設からは、即、その場の動物を保護救済するべきです。
これがあって、初めて動物の福祉が守られます。

繁殖回数や、妊娠の間隔などは、将来は、ガイドラインや、専門家の意見、奨励として通達してもよいのでは、と思っています。
現場の立ち入り操作と動物保護ができることが前提ですが。
今回の愛護法の数値化、具体化は、まだ第一歩の状態ですが、非常に意義が大きく、大きな期待もしています。
今後の長期的な目標として、法の具体化とガイドラインを整備し、動物の一時的救済や、飼い主権のはく奪が実現するようにしたいものです。
長い文章、読んでくださりありがとうございました!

犬や猫の出産と帝王切開を考える 「生涯出産回数や頻度に関する安全性について」

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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