西山ゆう子さんの情報サイトより(2020年7月25日)
https://yukonishiyama.com/disaster-pet-rescue/
被災現場の救出で大事な要素
私は、California Veterinary Medical Reserve Corps(CAVMRC) カリフォルニア獣医師会・獣医療予備隊に所属し、災害時には、現場で動物の救急処置や救出のお手伝いするメンバーになっています。
獣医師会のボランティアの1つです。
臨床獣医師であれば、誰でも自由意志で参加できるのですが、そのために必要な知識を学び、トレーニングを受けなくてはなりません。
これが、すごく大変でした。
なかなかタイミングが合わず、実際の災害時に出向いたことはないのですが、長時間のセミナーやトレーニングではたくさんのことを学びました。
《 実際に、災害が起きて救助作業をする時、考慮しなくてはならないポイントは3つ 》
- 総監督の指示が絶対
- 現地の人員 行政・警察・自衛隊・プロ・関係者・被災者、そしてボランティアのチームワーク
- トリアージュ
この3つがなくては、正しく安全な救出活動はできません。
現場をまとめる人
これは、一人の個人ではなく、一組織として許可を出したり、指示を出したりする人の集まりです。
また、この指示監督をする人の中にも、大きな権限や決定をする人から、中間の立場の人、現場で実際に指示をする人まで様々なレベルがあります。
しかし、被災した住民やぺット、さらに現場の人たちの安全を第一に混乱なく作業が進むように、大変重要な判断が任されています。
この総司令、総監督の方針、命令によって、現場は混乱なく安全に作業が進みます。
よって、現場では、自分の判断で自分勝手な行動をすることを控えなくてはいけません。
実際に現場で作業する人
救出作業をする人、被害を最小限にするために予防措置をする人、ライフラインの道を整備する人、医療関係者、輸送関係者、他にもたくさんの専門家が必要になります。
行政関係から警察、自衛隊・気象専門家・医療関係者・土木関係者、そして民間のボランティアまで多くの人が関わることになります。
皆さんが想像される通り、これらの人たちが一斉に現場に行くことはできません。
現場は、混乱しているので、正確な情報もなかなかスムーズに得られないこともあるでしょう。
しかし、総監督の指導があってこそ、それぞれの部隊が安全に作業できるのです。
そして、第一線の現場にいても自分の判断や意志で行動することは許されません。
必ず、まとめ役の司令官の意図であることを確認してから行動をしないといけません。
トリアージュ
もともとトリアージュは、医療用語でした。
一度に複数の患者を治療しなくてはならない時に、どう優先順位をつけるかのいう概念を科学的に判定するのがトリアージュでした。
しかし、広義では、このような被災現場で優先順位を決める時にも用いられています。
被災地でも、今どこを優先的に作業するべきなのか。
今の天候、今後予想されている天候を知ることも必要かもしれません。
例えば、
取り残されている被災者が、どのくらいの期間、どういう状態で待機しているのか?
腰まで浸水して溺れかけている住民が助けを求めているか?
ご高齢の方なのか?
病院施設がヘルプを求めているのか?
あと数時間すれば豪雨がおさまるという予報があるのか、ないのか?
もちろん、一人では決められない大切なことです。
しかし、総司令官の指導組織は、その判断と指導を行う重要な任務があります。
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