乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、馬の耳と眼についてのお話です。
「心耳気眼」という言葉をご存知でしょうか?
これは「馬の耳は心の窓、眼は心の鏡」という意味です。
眼と耳だけを見て、その馬が健康か、利口か、性質はどうか、などがわかるという言葉です。
人の眼の表情から気持ちや性格が見て取れる場合があるのと同じように、馬の眼からも馬の状態を汲む事ができます。
馬の耳のお話は、以前「馬の表情 耳」でお話しした通り、色々な感情を示しています。
ナチュラルホースマンシップ 〜馬の表情 2 「耳」〜
馬は、顔の横側に眼が付いていて、草食動物として肉食獣を早く発見して逃げられるよう、視界が広くなっています。
両眼の位置は、なるべく遠ざかっていて、額が広く、眼が大きく威力があるのが良いとされています。
まぶたは、薄くて柔らかく、まぶたの開閉がスムーズに早いこと、まつ毛は適度な長さがあって正しい方向に生えていること。
眼球は清く澄んでいると良いです。
馬が疲れていたり、不調の時には目が充血したり、生彩がなくなりどんよりと濁ってきます。
疝痛など明らかな病気の時には、馬の眼を見て気力や重篤さを推測ったりなどしています。
また、人に対して不信感が強く攻撃的になっている馬の眼は、睨むように横目になり、明らかな敵意が見てとれます。
耳は前後左右によく動きます。集中力があり気性の良い馬の耳は直立し、並行して耳の付け根がしっかりしています。昔の言葉で、優れた馬の耳のことを「青竹を削ぎて2つに並べたるごとし」と言ったそうです。そういう耳の馬、イメージするとどんな馬が優れていると考えられていたかわかりますね。
おおらかでマイペースな馬は耳がだらりとしていて、動きもゆっくりなことが多いです。
こういう耳の馬のことを昔は鈍い馬と言われたようです。
歩くたびにぶらぶらと揺れる耳はお神楽耳と呼ばれ、性格が穏やかで頭が良いという評価もありますし、私もそう思います。
耳は、馬にとって情報キャッチのアンテナのようなものなので、ここがぶらぶらと揺れている馬は、周囲の事を気にしていないので、乗っていても安心感があります。
逆に耳を左右で反対の方向へ動かしたり、あちこちへ向けている馬は警戒心が高まっています。
このように耳の動かし具合から馬の感性を判断する事ができます。
馬の眼と耳、よーく見てみてくださいね!