乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、馬のためのアロマセラピーです。
メディカルアロマセラピーは、精油(エッセンシャルオイル)と呼ばれる植物から抽出した天然100%のオイルを使って、西洋医学ではフォローしきれないメンタル面や不定愁訴などに対してケアする芳香療法です。
人に対してはもちろん、犬などにも近年では取り入れらていますよね。
馬にもアロマセラピーをする事ができます。
馬は、匂いにとても敏感で、嗅覚は人間の約1000倍と言われています。
嗅覚受容体は人間が約400種類なのに対して馬は約1050種類もあるそうです。
馬が香りを体内に取り込むメカニズムは、人間と同じです。鼻から脳へ、肺から血流に乗って、皮膚から血液に乗って全身へ精油成分が伝わります。
【 馬へアロマセラピーを活用する方法 】
人間と同じように、塗布や芳香浴などが適しています。
塗布は、用途に応じてキャリアオイルなどで必ず希釈して、馬の皮膚に塗布します。
芳香浴は、ディフューザーやスプレーなどを使って厩舎内に香りを拡散させます。
精油には様々な働きがあります。その働きを組み合わせてブレンドし、目的のケアに使用しますが不快に感じる香りではなく、「好き」と感じる香りでないと、取り込むのが難しくなってしまいます。
その時に必要としている働きの香りを選ぶ傾向がとてもあるものです。
ですので、馬も好きな香りでケアして上げてください。それを確かめる方法としては、精油のキャップを外して馬の鼻に近づけてみます。
馬がもっと嗅ぎたいと鼻をさらに近づけてきたら、好きな証拠です。反対に顔を背けたり、馬房の奥へ戻ってしまったら好きではないということです。
必ず、馬の意見を聞いてから使用しましょう。
【 馬に使用する際の基本的な方法&注意点 】
・メディカルグレードの精油(エッセンシャルオイル)を使用する
100%ピュアで、異物なし、有機栽培の植物から正しい方法で作られた精油で医療現場で使われるグレードの物。
・馬の好みを聞く
・塗布する時には必ず希釈する
希釈はキャリアオイルと呼ばれる植物油や、ワセリン、アロエジェル、無水エタノール等。
植物油は、ココナッツオイル、スイートアーモンドオイ100ル、ホホバオイルなどがおすすめ。
濃度は0.5%〜1%になるようにします。精油の瓶を無理に振らずに、自然に落ちる1滴が基本的に0.05Mℓなので、100mℓのオイルに希釈する場合は精油20滴で1%。
・芳香浴は、ディフューザーは火を使わないものを使用する
精油は水には溶けないのでスプレーを作る時はエタノール等に精油を混ぜてから、水で薄める。
薬や獣医さんにかかるほどでもない日々のケアはナチュラルな精油の力で出来ると良いですよね。
次回は、馬におすすめの精油を紹介します!