進由紀

馬と仲良くなろう part6 馬装編

乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。今回はいよいよ馬装編です。
馬装とは、馬に乗るために馬具を馬に装着することです。

馬に乗るために必要な馬具

《 鞍(くら) 》 

ライダーが座るためのものです。馬の背に乗せます。
ブリティッシュ馬術の場合、馬場鞍、障害鞍、総合鞍の種類があります。
競技の種類によって鞍を変えます。

《 ゼッケン 》

キルティングのパッドです。
馬の背に1番に乗せます。汗とりになります。色々なおしゃれなデザインがあります。

《 鞍下(くらした) 》

ゼッケンと鞍の間に敷くもので、羊毛でできたパッドや、ゲルでできているものなどがあります。
馬の背中への衝撃を和らげる為に使うもので、馬の状態によって必要なものが変わります。

《 腹帯(はらおび) 》

鞍を馬体に固定するためのベルトです。
鞍がずれないようにきっちり締めるものなので、馬体に優しい素材のものが最近は多く売り出されています。

《 頭絡(とうらく) 》

馬の頭に装着します。
頭絡にはハミと手綱がついていて、ハミは馬がくわえて、手綱をライダーが持って馬とのコミュニケーションをとります。

《 プロテクター 》

馬の肢に装着します。馬が自分の肢同士をぶつけたりして怪我をするの防ぎます。
バンテージを巻くく場合もあります。

馬装してみよう

お手入れが終わり馬装の準備が整ったら、馬装を始めましょう。

1. プロテクターをつける

プロテクターには、前後左右が決まっています。
ベルトを締める際には前から後ろになるように気をつけましょう。
馬の肢の後ろ側には大事な腱があります。腱を後ろから前に引っ張るような力を加えると痛めてしまいます。
プロテクターやバンテージは前から後ろへ巻く、と覚えてください。

2. ゼッケンを敷く

ゼッケンにも前後、表裏があります。
ほとんどのゼッケンは中央に折り目があるので折り目を馬の背の中央に合わせておきます。

3. 羊毛パッドを置く

4. 静かに鞍を置きましょう

鞍の前方は山型になっています。
この部分を馬のき甲に合わせます。
ゼッケン、羊毛パッドは鞍に合わせるように馬体との隙間を作ります。
き甲は骨ばった部分なので、ここにゼッケンや鞍がぶつかると傷ができてしまいます。

5. 腹帯を締める

声をかけながらゆっくり締めます。
最初は緩めに、左右の穴が均等になるように締めます。
左右を交互に締めるのを何度か繰り返して、鞍がずれない程度に締めておきましょう。
腹帯をいきなり強く締めると、馬は苦しいです。
繋がれた状態ですと、苦しさや驚きでひっくり返ってしまう事がありますので、注意してください。
腹帯を締めた状態ではあまり長い時間繋いでおかないようにしましょう。

6. 頭絡をつける

頭絡も最初はつけるのが少し難しいかもしれませんね。
ハミを上手に馬にくわえてもらえないかもしれません。頭絡の付け方のコツはまたいつかお話したいと思います。

さあ、馬装ができたら乗りましょう♪

 

馬と仲良くなろう part5

馬と仲良くなろう part7 頭絡をつけてみよう

進 由紀

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投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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