乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
馬装の中でも少し難しい頭絡の装着です。
どうしたら馬も心地よくつけてくれるか、などのコツをお話します。
頭絡とは
馬の頭に装着する馬具。
ハミという金具を馬の口にくわえさせます。
そのハミには手綱がついており、それをライダーが持ってライダーの拳から手綱、ハミを通して馬の口に様々な指示を伝え、馬とコミュニケーションを取ります。
頭絡の付け方
1、頭絡を持って馬の左側から近づきます。
・まず、手綱を馬の首にかけてから、繋がれている馬の引き手を外します。
※無口を外す前に必ず手綱を首にかけましょう。
馬が動いた時に、放馬(馬が逃げてしまう事)しないように手綱で抑えることができるからです。
・左手に頭絡を持ちながら無口を外し、右腕にかけます。
・すぐに右手で頭絡の上部を持ちながら馬の顔を抑えます。
・左手はハミを支えます。ハミと一緒に馬の口の前に手を添えます。
・左手の親指で馬の口角の部分を軽くくすぐると馬が口を開けてくれるので、そっとハミを口に入れたら右手で頭絡を引き上げましょう。
※ハミを口に入れる時に、ガチャガチャと歯にハミを当ててしまうと、馬はとても不快で、頭を上げて嫌がってしまいます。
それを繰り返すと、頭絡をつけようとすると頭を上げて下げてくれなくなってしまいます。
ハミを口に入れる時には、声をかけながら、丁寧にかつスムーズにできるようにしましょう。
2、頭絡を引き上げたら、左手も使って馬の耳を通しましょう。
3、馬の前髪は額がわの上にだし、たてがみを整えます。
4、正面からハミや額革がまっすぐになっているか確認して、鼻革、頬革を締めます。
鼻革は馬の顔との間に指が2本入るくらいに締めます。
緩いとハミが安定しづらく、コミュニケーションに不具合が起きます。
頬革は拳ひとつ分くらいたるませて締めます。
頭絡が外れてしまわないようにつける部分ですが、きついと呼吸ができなくなってしまいますので注意しましょう。
ハミについて
ハミは馬と人を繋ぐコミュニケーションツールとしてとっても大切です。
サイズや形状は馬に合ったものを使用しましょう。
ハミを口に入れる前に、汚れていないか、傷つけるような尖がないか確認しましょう。
冬場は冷えているのでお湯などで予め温めておいてあげると、馬も安心してくわえてくれると思います。
頭絡をスムーズにつけるのは、最初は少し難しく感じるかもしれません。馬が口を開けてくれない、頭を上げてしまうという時には、自分がその原因を作っていないか振り返ってみてくださいね。
ハミは歯に当てない!これとっても大事です!