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日本と世界の狂犬病事情  第3回 海外における狂犬病発生の現状

改めて、狂犬病と日本の現状について確認しましょう。
狂犬病とは、狂犬病ウイルスを保有する犬・猫およびコウモリを含む野生動物に、咬まれるたり引っ掻かれたことによりできた傷口から感染し、発症すればほぼ
100%で死亡してしまう人獣共通感染症です。
そして、日本は、狂犬病清浄国です。
清浄国とは、伝染病(ここでは狂犬病ウイルス)による汚染から免れている国のことです。

 世界に狂犬病清浄国は何か国ある? 

日本に住んでいると、狂犬病の脅威を感じることはありませんよね。
それは、日本に狂犬病の犬や野生動物がいないからです。
地球全体に目を向けてみましょう。

各機関によって、洗浄国として指定されている国に違いがあります。
世界には、196の国があります。

【 農林水産省(農林水産大臣)が指定する狂犬病洗浄国】
  7 / 196 カ国
20137月時点/農林水産大臣が指定する狂犬病清浄国
日本・アイスランド・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー諸国・ハワイ・グアム
動物検疫を管轄する農林水産省、農林水産大臣が指定する
狂犬病清浄国は、たったの7か国です。
《動物検疫所ホームページより 2020年8月時点
https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/rabies-free.html

【 汎米保健機構(PAHO)が指定する狂犬病洗浄国】
  12 / 196 カ国
2019年11月11日時点/汎米保健機構(PAHO)が指定する狂犬病清浄国
世界保健機構(WHO)の下部機関である汎米保健機構(PAHO)が定めている狂犬病清浄国は
日本・アイスランド・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー諸国・ハワイ・グアム・アイルランド・英国・ノルウェー・キプロス・メキシコ。

【 厚生労働省が指定する狂犬病洗浄国 】
9 (+2か国の一部) / 196 カ国

日本・アイスランド・オーストラリア・ニュージーランド・フィジー諸国・ハワイ・グアム・アイルランド・スウェーデン(英国・ノルウェーの一部)
《厚生労働省ホームページより
 2020年8月時点
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

2017年にWHOから示された全世界の狂犬病発生状況では、年間の死亡者数推計 59,000人 (うち、アジア地域35,000人、アフリカ地域21,000)でした。

 日本から近くて、異文化を楽しめる、若者が行きやすいアジア地域に狂犬病が多い

ダイビングや観光で人気のフィリピンやタイ、アンコールワットで有名なカンボジアなどには、放し飼いの犬や野犬が多く、軒下で寝ていたり、道端を自由に歩いている犬の姿を見かけます。
観光をしていて、これらの犬が飼われているのか、野犬なのかあまり見分けがつきません。
アジアは、特に狂犬病が多い地域なため、犬や野生動物との触れ合いに気を付けるに越したことはないでしょう。

参考資料:厚生労働省

カンボジアで出会った犬。
首輪をついていましたが、自由にトコトコ歩いていました。

次は、「狂犬病の多い国の取り組みと対策」についてです。

日本と世界の狂犬病事情
 第2回 現在の日本における取り組みと対策

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