東日本大震災が発生した3月。
9年が経った今、自分たちにできることをテーマに記事を書いてほしいとリクエストがありました。
震災当時、私も被災動物の捕獲・保護に関わり、私が被災地から保護そして預かりをした犬たちは、家族の元へ帰ったり、新しい家族に迎えられました。
でも、9年が経った今もまだ現地で保護飼育されている動物が居る・・・私は、その存在を知りませんでした。
メディアで報道されると思い出し、いつもの生活が続くうちにまた忘れていく。
そんな自分でも、このテーマの記事を書けるのだろうか?
その想いをリクエストした担当者に話すと、
「たまに、立ち止まり思い出したり、できることを見つけたらやってみる。そんなきっかけをつくれる記事を掲載したと思っています」
といわれました。
今感じていること、、、
自分の中に残っている当時のエピソードをもとに、今回の記事を書いてみようと思います。
2020年3月、新型コロナウィルスの影響がそれぞれの生活や仕事に現れはじめ、先を見通せいない状況に、社会全体が重苦しさを感じています。
そんな毎日の中でも、犬たちは変わらない。
私たちが帰宅するとき、散歩準備を始めるとき、おもちゃ遊びを始めるとき、ご飯のとき、いつもと同じように喜ぶ犬。
いつもと変わらない犬たちがただそこに居るだけで、私は、ホッと気が抜ける。
重くなっていた気持ちや緊張がゆるむのです。
震災のとき、トライアル(お試し飼育)中だった保護犬「なつ」の家族から、こんなことを言われました。
「断続的に余震が続き、私たちがとても不安になる中、なつは、いつもと変わらずリビングのど真ん中で〝べちゃん〟と穏やかに寝ていました。
散歩やご飯、家族に撫でてもらうことを楽しみに、普段と変わらず過ごすなつを見て、私たちは、落ち着くことができたんです」と。
犬は、飼い主の雰囲気や態度から影響を受けて、落ち着けることもできるし、逆に落ち着きがなくなることもあります。
それは、私たち人も同じで、犬たちの雰囲気により、私たちが落ち着いたり穏やかになれることもある。
「なつ」に深い縁を感じた家族は、なつとずっと一緒に暮らすことを決めました。
それから9年が経ち、13歳になったなつ。
今も変わらず家族に愛されながら、日向ぼっこをしているそうです。
今、自分にできるは、
『毎日の生活やお世話を疎かにせず、自分にできることを続ける。』
一時預かりができるのも、犬の仕事が続けられるのも、家族や愛犬の健康と元気があってのこと。
だからこそ、毎日を疎かにしないように意識して生きる。
立ち止まって思い出し、自分にできることを再確認しました。