犬の習慣から分かること
第3回 犬からみえる家庭の様子
永倉安弓 ドッグトレーナー
犬からみえる家庭の様子 |
友人トレーナーから伺った話です。
某日、3世帯同居をなさっているお宅のお嫁さんから依頼がありました。飼っている犬がお姑さんに吠えるのを止めさせて欲しいとのことです。詳しく話を聞いていくと、どうやらそのお宅では嫁姑関係があまり上手くいっていないようで、お嫁さんは何かとお姑さんの愚痴を友人トレーナーにこぼすのだそうです。
見ていると、やはり犬にも愚痴を漏らしていて、恐らくトレーナーがいなくなれば愚痴だけではなく、何らかのちょっとした態度にもお姑さんに対する嫌悪感を表していたのでしょうね。
もちろん、犬がお姑さんに吠える原因がそれだけにあるとは限りませんが、犬は飼い主の表情、仕草や行動に敏感な生き物です。だから、お嫁さんがお姑さんの愚痴をこぼしたり、些細な行動に嫌悪感を表していたことが、大きな要因の一つであるのは間違いないでしょう。友人トレーナーはそれをお嫁さんにどう伝えるか相当困ったそうです。
私の友人もやはりそういったことがありました。お散歩は彼女がしているのですが、基本的にはお姑さんの犬で、家での立場もお姑さんが強いため(なのかどうかはさておき)、いつもは吠えないのに、たまに彼女が仕事で遅くなり、家族が寝静まった頃に”そ~っ”と帰ってくると、気づいた犬が彼女の顔をじっと見た後、”わざと”(なのかはさておき・・・)ワン!と吠えるのだそうです。
1世帯の家族内においても、1番長く家にいるお母さんの意見が強く、子どもたちも犬もお母さんの言うことは聞くけど家にいる時間の短い立場のお父さんには唸る(子どもも犬も)という場合もあります。
愛犬が家族の誰のいうことをよく聞くのか、お父さんなのか、お母さんなのか、または家族全員に対してほぼ平等にいうことを聞くのか、それによっても家族の関係性が浮かび上がってくる、かもしれませんね。
一度、皆さんも犬の”癖”や”習慣”をいくつか上げていってみてください。
すると、そこから私たち人間家族の新しい一面が見えてくるかもしれません。そういったものを客観的に見るのはなかなか面白いものですよ。
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