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一人暮らしでペットと暮らす ~[4].一人暮らしの飼い主さんの心得は?~

一人暮らしでペットと暮らす

4.一人暮らしの飼い主さんの心得は?

    


 最終回となる今回は「ペットの一生と飼い主さんの一生」という視点で、心得ておきたいことをまとめてみます。自分自身やペットの健康についてなど、予想のつかない出来事はいろいろ起こり得ます。しかし、備えあれば憂いなし、ペットと共に生きる長い年月の間に起こり得る出来事をシミュレーションしておくだけでも、現実に直面したときの対応がすいぶん違ってくることでしょう。もちろんペットとの生活のために貯金をしておくなど、物理的な備えも有益です。

無理のないペット選びを考える

 一人暮らしでペットを飼う人が直面するのは、ペットを飼っていなかった時にはなかった時間的制約がたくさん発生することでしょう。自由気ままな一人暮らしが一転して、自由度の低い生活となってしまうことは避けられません。具体的には人との付き合い、食事や飲み会など夜間に出歩けなくなる、家を空けにくくなり長期の旅行が困難になる、散歩やえさやりなど犬の世話に時間がかかることなどが考えられます。飼い主さんの趣味趣向次第では、辛い毎日となってしまうかもしれません。
 単身の飼い主さんについて、オリーブ動物病院(東京都国分寺市)の院長で獣医師の有薗浩見(ありぞのひろみ)先生はこのように語っています。
 「単身でペットを飼うことは、とてもハードルが高いせいか、増えているとは感じません。でも一人で飼われる方の場合は、あまり鳴かない動物、例えばウサギやフェレット、ハムスターなどを選ばれることが多いように思いますね。また、猫の場合は家にトイレを置いておけば、猫の習性で自分でトイレへ行きますから、しつけの苦労は少なくてすみます。ただし犬の場合、日中留守の方ではまずトイレのしつけが難しくなるでしょう。」
 どうしても犬を飼いたいという場合は、自分のほかにいざという時サポートしてくれる人を探しておくしかないとアドバイスしています。

将来設計も予想しておく

 何歳で飼い始めたかにもよりますが、10~15年、長ければ20年近くも生きるであろうペットの一生の変化と、さらに長い人生を生きる飼い主さんの一生の変化についても考慮しておきたいものです。
 有薗先生にはこのような体験談もあります。「猫を飼っている70代の女性から電話があり、ご自身の体調が悪くなり、身内もいなくて猫の引き取り手がなく困っているので、面倒を見て貰えないかということでした。それで仕方なく、うちで引き取らせて頂いたことがあります」と。近年では高齢の飼い主さんで、このようなケースは増えているようです。高齢であるほど、ペットの受け皿となってくれる人をできるだけ早いうちに探しておく必要があります。

 また、年配の方の場合、ペットが亡くなった際に次のペットを飼うかどうか悩まれることが多いそうです。今や単身者世帯の多くは高齢者のため、これはとても身近な悩みでもあります。ご自身の健康や寿命を視野に入れると、だいたい70歳過ぎくらいから新たに飼うことを躊躇されるようです。「60歳代ぐらいであれば、また新たに飼おうというまだまだ意欲のある方が多いですね」と有薗先生。
 一方、寿命や健康面は問題ない若い世代の単身者も、もしかすれば数年後に転勤となったり、転職したり、生活が大きく変わる出来事があるかもしれません。プライベート面でも恋人ができたり、結婚したり子どもが生まれたりと、飼い主さん自身の人生の転機も次々と訪れることでしょう。
 そのとき、恋人や配偶者となる人が動物嫌いだったり、アレルギーを持っていたりする可能性もあります。そのようなことになって、安易にペットの世話を放棄したり、ペットを捨てたりするのは、飼い主として無責任であると言わざるを得ません。では、そういった場合にどうするのか。家族や信頼できる人に任せられるように、自分以外の受け皿を準備しておけるのか、はたまたそういった事態を避けるように気を付けるのか、それも飼い主さん自身がしっかり考えておくべきことでしょう。

ペットの生涯の変化を理解する

 今はペットの寿命が長くなっていますが、その分、ペットの介護に大変な労力を捧げている飼い主さんも多くおられます。残念ながら、ペットは飼い主さんより確実に早く年老いていきます。病気にもかかり、時には重篤な病気で付きっきりの世話をしないといけなくなったり、多額の医療費がかかることも考えられます。ですから、ペット保険に加入したり、ペットのために貯金をするなど、万が一に備えておくことは後に大きな助けとなるでしょう。また、そのようなことにならないためにも、ペットの健康を日頃から守り、食事や病気予防に留意しておくことが重要です。

ペットを看取る

 飼い主さんの最後の役割は、ペットを看取ることです。大抵の場合、ペットより飼い主さんのほう長く生きるため、悲しいけれどいつか別れの日が来ることを覚悟しておかなければいけません。長年一緒に暮らした愛するペットが死んでしまった後、どのように見送ってあげたいでしょうか。
 ペットの埋葬方法や場所、葬儀を行うのかお墓を作るのかどうかなど、今は選択肢も増えています。火葬であればおおよそ1万円から数万円の費用で行えます。また近頃は、ペットと一緒のお墓に入ることまで可能となっています。最後の時にあわてず、後悔のないよう、可愛がってきたペットに飼い主として最善の選択を用意してあげられるとよいですね。

取材協力:オリーブ動物病院(東京都国分寺市)http://www.olive-ah.com/index.htm


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