進由紀

馬と仲良くなろう part4

乗馬インストラクターがお伝えする馬の話。馬と仲良くなろう第4弾。
馬のお手入れのお話です。

体のブラッシング

裏掘りが終わったら、ブラッシングをしましょう。
首の方から毛並みに沿ってブラシをかけていきます。
泥などを汚れを落としたり、抜け毛をとるプラスチックブラシや、根ブラシ、柔らかい毛でできている仕上げ用のブラシなど様々な種類があります。

どのブラシを使ってというのは、乗馬の教本などに書いてあるので割愛しますね。

大切なことは馬の反応を見ながら行うこと

ブラッシングは、馬をピカピカにするというのは二の次です。
馬と触れ合い、コミュニケーションの絶好の時間ですよ。

私たちも、初めての美容室に行く時、初めてのマッサージに行く時、施術してくれる人はどんな人かな?と身構えますよね。
馬も同じです。自分だったらどんな風にシャンプーされたいか、カットされたいか、マッサージされたいか、考えてみましょう。

見知らぬ人に雑に強くブラシをかけられたら、不快な馬もいます。

ブラシ掛けの強さやタッチは、馬によって反応がさまざまですが、そもそも人に触られる事を嫌がる馬もいます。

もしその時に噛まれたり蹴られたりしたら、噛んだり蹴ったりしてはいけない事を伝える必要がありますが、そうでなければ、怒ったりしてはいけません。

馬にしてみたら、「誰やねん」「いきなりなんやねん」なんです。

馬にとって不快なのに無理にブラッシングを続けるのは、人間の自己満足でしかありません。

それでもブラッシングをして仲良くなりたいと思うのであれば、不快ではないようにこちらがしてあげるしかないのです。
快・不快は、トレーニングでコントロールするものではありません。
馬だって嫌なものは嫌ですし。
ただ、馬の健康に関わる事や、治療のためには馬にも頑張って我慢してもらう必要がありますね。

ブラシ掛けのファーストタッチはまずソフトに!

なるべく柔らかいブラシで声をかけながら行いましょう。その時に耳を伏せたり、肢をあげる素振りが見えたら、ブラシ嫌いタイプです。

特に反応なければ、許容できていますので、首から背中、お腹、肢と進めていきます。
ブラシが好きな馬でもお腹や股の下など敏感な部分は嫌がる場合がありますので、そこはとにかく優しいタッチでやってあげてください。

ブラシ掛けが大好きで気持ち良いと、首や鼻を伸ばしてくれます。

では、ブラシ掛けが嫌いタイプな子はどうするか?
私はそういう子にはまず、ブラシを使わずに手のひらでタッチしていくことから始めます。
そういう子は手のひらでもおそらく嫌がります。
まずは手でマッサージするようにタッチして、それに慣れてきたら1番柔らかいブラシを使ってみます。
嫌がらない程度でやめる事が大切です。
よくよく馬の反応を見ていると、嫌いの中でも許せる所とか、むしろ好きな所とがわかってくると思います。
そういう所は念入りにやって、ブラッシングは良いこともあるよという事を伝えていきましょう。

手でタッチしたり、ブラシをかけながら、痛がる箇所がないか、皮膚に異常がある所はないか、熱を持っている部分はないか、などもチェックしていきます。
また、馬に噛まれたり蹴られたりなどをいつでも回避できる位置に立ち、気を抜かずに注意することも大切です。

 

進 由紀

進 由紀

投稿者の記事一覧

(すすむ ゆき)
乗馬インストラクター
全国乗馬倶楽部振興協会認定指導者

2002年より乗馬クラブでインストラクターとして働く

「馬は自分を映す鏡」の様な存在です。
自分の行動に対しての答えを、いつも分かりやすく返してくれます。
だからこそ、いつでも正直に、真剣に、謙虚に、馬と向き合う事が出来ます。
それは時に苦しいけれど、そんな時にもポッと何か閃きをくれたりする。
馬はとても賢くて、優しくて、そしてどんな馬もみな、真面目で頑張り屋です。

出会った馬には、幸せを感じながら人間と仕事をしてもらえるように。
また馬の素晴らしさを一人でも多くの方に知って頂けるように。

馬と共に成長し、人々に貢献する事を目標に、日々奮闘しています。

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