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コロナでペットを飼う人が増えた?~ アメリカの場合 ~ 最後まで大切に

西山ゆう子さんの情報サイトより(2020年12月6日)
https://yukonishiyama.com/petowner-covid/


 飼い主さんの変化

なぜ私が、衝動飼いではないと思っているのか?
それは、ロサンゼルスの動物病院の外来にやってくる、多くのペットの飼い主さんたちの、微妙な心の変化を、肌で感じているからである。

例えば、ロブさん ―

テリア系の犬を飼っていて、ずいぶんと歯石がつき、いくつかの歯はグラグラして、もう麻酔下での歯科処置をしないとダメだよ、内臓がやられるよ、という話をずっとしてきた。
来院の度に、もう4年以上。
犬が歳だから、とか、お金がきついから、とか言って断っていたのに、いきなり先日連れてきて、すぐに歯科処置をしてほしいという。
今とても混んでいるから、早くても3週間後であると告げると、ひどく不満そうなお顔。
犬が痛いとか食べられない、というのではない。
「本当にコイツの体と健康を考えると、早くしてあげたいと思うようになった」と本人の弁。

例えば、リデイア ―

チワワ8歳に、小さな乳腺腫瘍を発覚したのが3年前。
細胞診ではいちおう良性であったが、たまたま悪性細胞が出なかっただけかもしれないし、少しづつ大きくなっているし、早く外科除去したほうがいい、と勧め続けていた。
そして先日、いきなりやってきて、1日も早く手術してほしいという。
「本当にこの子のことを考えると、やはり手術をするべきと思って」というのが本人の弁。

そして、ブレークさん ―

雑種の大型犬を飼っていて、毎年、ワクチン等で連れてくるのに、今日は9歳の茶トラの猫を連れてきた。
ぼてーっと太って、診察台の上で余裕のグルーミングなどをしている。
「愛護団体から引き取ったのですか?かわいいですねー」と私。
(ちょっとお世辞も入っていたかも汗) 「はい、9年前、子猫の時に家にやってきました。今日はワクチンを。」とのたまう。
9年も飼っていて、一度もワクチンも打たず、一度も病院に連れてこなかった理由を問うと、「こいつ外にも出ないし、どこも病気しないし、見ての通り健康そのもので。 でもさすがに、たまにはワクチンくらい打ってあげないと、と思ってね。」 というのが本人の弁。

たまには??

 コロナ禍で動物愛が目覚めた?

飼い主さんが、責任を持ち、愛情を持って自分のペットを飼ってくれることは、獣医師としても大いにうれしいことだ。
コロナ禍ではなくても、飼っているうちに愛情がわき、どんどん責任のあるいい飼い主さんに成長する人も、以前から存在していた。
だがどうなんだろう。 この数か月、動物病院の忙しさは、こんなうれしい飼い主さんが増えているから、と感じているのは、私だけだろうか。
本当の理由は私もわからない。
リモート勤務や、在宅時間の長さに関係している、という説もある。
コロナで明日の自分の運命も保証の限りではないので、ペットや子供にお金を投資する気分になっている、と想像する人もいる。
私は、やはり、コロナによって、人々の生活の価値観が、少しづつ変わってきているからかな、と感じている。
今までお金を使っていた部分は、多くは、社交的なものだった。
すなわち、人に見せたいもの、見てもらってうらやましがられるもの。
カッコいい車、ブランドの服やバッグ。靴。時計。ジュエリー。 予約がとれないスタイリストにやってもらうヘアカット。 落ち着いたステキなレストラン、ちょっと贅沢なホテル。
これらが悪い訳ではないが、コロナ禍ではこれを実行するのが難しい。
見栄を張る機会も少なくなり、必要も減った。 その先にあるのが、家族、ペット、本当に仲のよい友などの心のこもった交流。
そんな訳で、ペットを飼い、ペットをきちんと飼いたいと思う人が増えたのかな、と漠然と感じている。
ということで、毎日の診療を、実はとても楽しみでもある。
今日はどんな人から、どんな驚きの「エピソード」が聞けるやら。
誰が、素敵な飼い主さんに変わってくれるか。 ひそかに心ワクワクしているのである。
どうかどうか、すべてのペットたちが、捨てられることなく、最後まで大切にされますように。。。

コロナでペットを飼う人が増えた?~ アメリカの場合 ~

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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