あなたは
人目線ですか?
犬目線ですか?
アニマルライツ
あなたは、人目線ですか?犬目線ですか?
先日、長野市保健所にて開催された「犬のお悩み行動軽減セミナー」の講師を担当させて頂きました。
飼い主さんにとって、吠える・引っ張る・威嚇や攻撃するなど、共に暮らす犬の行動に対して様々な悩みがあります。
今回のセミナーでは、そんな悩みに対するトレーニング方法ではなく、犬の行動を『人の目線ではなく、犬の目線から考える』習慣をつけることが問題軽減の第1歩になることを伝えてきました。
困っている飼い主は、自分の目線や感情で愛犬のことを考えがちです。
例えば、
「ハウスに入れるのは、閉じ込めるみたいで可哀想」
「留守番中の粗相は、困らせるためにやっている」
「叱っているのに止めてくれない」
「犬をトーニングすれば、悩み行動が改善する」
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子供の頃、実家で犬を飼っていました。名前は「アン」。
アンは、ブラッシンをする私を咬みました。
当時の私は、「綺麗にしてあげてるのになんで咬むんだろう?」と考えていました。
アンが、ブラッシングに慣れてないことに気づかず、ブラッシングされるのが嫌いなのに無理にブラッシングし、アンに「我慢しなさい」と思っていました。
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―「ハウスに入れるのは、閉じ込めるみたいで可哀想」
犬は、囲まれた狭い場所で落ち着ける習性があります。
―「留守番中の粗相は、困らせるためにやっている」
留守番が苦手な犬は、部屋に自分の匂い(尿)を付けて不安を紛らわす。
―「叱っているのに止めてくれない」
飼い主が、叱った(つもり)の声を「かまってくれた!」と考える犬がいる。
―「犬をトレーニングすれば、悩み行動が改善する」
犬ではなく、飼い主が変わらないと犬の悩み行動は軽減しない。
犬を人間と同じ考え方や感情、願望や都合で判断すれば、犬の本当の気持ちに気付かず、ギャップがうまれます。
そんな状態でトレーニングをしても、なかなかうまくいきません。
「犬が何でその問題行動をするのか」
「犬は、どんな生き物なのか?どう考え学ぶのか?」
こうしたことを飼い主が学んだ上で「犬にとって本当に必要なこと」をしていくことが悩む行動の軽減につながります。
大切なことは、「犬」のトレーニングではなく、「飼い主」が自分自身の勉強なのだと気付くこと。
『人の目線ではなく、犬の目線から愛犬のことを考えること』
そのことを伝えていくのもドッグトレーナーの役割です。
「人目線ではなく犬目線で」と言ってはいますが、それはドッグトレーナーとして私も同じです。
飼い主に指導する時、この犬にはこうしてあげた方がいいと分かっていても、飼い主が費やせる時間や体力的に、日常生活でできないと言えば、飼い主ができる範囲内で取り組めるトレーニングを指導します。
それは、必然的に飼い主(人)目線の内容となり、うまくいかないこともあります。
飼い主の取り組みレベルや適性や都合に合わせることと、犬にとって本当に必要なことを指導することに優劣はなく、どちらも大事です。
ポイントは、バランス!程よいバランス加減は、飼い主と犬のペアでみな違うので、悩みどころです。
あなたは人目線?それとも犬目線で愛犬と向き合えていますか?
2017年2月24日掲載